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事実は小説より奇なり。なんてよく言うけれど。
実際、事実とフィクション、どっちが奇なのだろうか?そんなのズルいと言われそうだけれど、僕はどっちも同じく奇かなと思う。
現実の世界と想像の世界は、どちらが面白いかを常に競い合い、インスパイアし合う関係にあるんじゃないか。というのは、古今東西から実在の「伝説の授業」を集め、それをヒントに面白いクリエーティブな授業や問題を作り出す「変な宿題」プロジェクトを立ち上げようとしていた時、1つの大きなアイデアをくれたのは、フィクションの中の教育だったからだ。
小説、漫画、映画やドラマで、学校が舞台だったり、教育に関する物語は、ほんとに枚挙にいとまがない。若干フィクションとノンフィクションがごっちゃになるが、いまパッと思いつくものを挙げても「3年B組金八先生」「GTO」「学校へ行こう」「ごくせん」「二十四の瞳」「まあだだよ」「スラムダンク」「ハリーポッター」「ちいさな哲学者たち」「みんなの学校」「奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ」「Most likely to succeed」etc。みなさんも頭の中にスラスラとたくさん出てくるのではないだろうか。
この連載ではずっと実際に行われた授業を扱ってきたが、今回は物語、フィクションの中から採集した伝説の授業をお届けする。自分ならあれを選ぶな!とか思いながら、伝説の授業選考委員の気分で、読んでほしい。
まず僕が取り上げたい、外せないのは。映画「ベスト・キッド」である。
(『ベスト・キッド』 デジタル配信中 Blu-ray 2,619円(税込)/DVD 1,551円(税込) 発売・販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント ©1984 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.)
一応ざっくりあらすじを説明すると、カリフォルニアに引っ越すことになったダニエル少年(空手を少々かじっている)は転校早々、空手が強い悪いグループといざこざがあり(女の子のことなどで)、いじめに近い状態になる。ある日、絶体絶命のピンチのところを、沖縄出身の空手の達人ミヤギ老人に助けられ、弟子入りを懇願。様々な修行の後、悪い奴らも出場する空手トーナメントで優勝しギャフンと言わせて、めでたしめでたし。というものだが、このミヤギ氏の空手の教え方が最高にユニーク。

