広告の「クリエイティビティ」は抽象的でも革命的でもない

元・戦略プランナーがクリエイティブの戦略を否定する意図とは?

©123RF

ポール・フェルドウィック氏の著書『Why Does the Pedlar Sing?』について、

前回のコラム

で紹介しましたが、この書籍には実は「広告におけるクリエイティビティとは何か?」という副題がついています。

前回のコラム

で「セレブリティとブランドの共通点」という話を紹介したのは、ブランドが強くなるためには「有名性(Fame)」が欠かせないということを伝える意図ではありました。しかし本書の主題は、ブランドが有名性を獲得する方法である広告というものが、セレブリティの予期せぬイベントへの対応のように、実は戦略であらかじめ決められたものだったりしないことの比喩でもあったのです。

フェルドウィック氏は、英・広告業界でアカウントプランニングを生んだBMP英国(Boase Massimi Pollitt)出身の戦略(アカウント)プランナーですから、このような言い方をすることに疑問を感じずにはいられません。つまり、自分がつくった事前の計画である広告戦略は、優れたクリエイティブを生み出すうえで、あまり意味がない、といっているように聞こえるからです。著書の中では、彼がそう考えるに至ったケースが実際に彼の身に起こったことを紹介しています。

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鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)
鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)

1991年広告会社の営業としてスタートし、ナイキジャパンで7年のマーケティング経験を経て2009年にニューバランス ジャパンに入社し現在に至る。ブランドマネジメントおよびPRや広告をはじめデジタル、イベント、店頭を含むマーケティングコミュニケーション全般を担当。

鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)

1991年広告会社の営業としてスタートし、ナイキジャパンで7年のマーケティング経験を経て2009年にニューバランス ジャパンに入社し現在に至る。ブランドマネジメントおよびPRや広告をはじめデジタル、イベント、店頭を含むマーケティングコミュニケーション全般を担当。

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