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「考え、つくり、寄り添う」。制作から戦略、コンサルティングも手がけるデザインファーム ―Shed

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2006年に3人のメンバーでスタートしたShed。主な事業はWebサイト制作から徐々に広がり、現在では戦略やコンサルティングまでを手がけている。コロナ禍の2020年4月には制作会社から「デザインファーム」に改め、クライアントに寄り添った仕事を展開する。

Shed代表取締役/デザインコンサルタント 橘友希さん。

クリエイター集団からデザインファームへ

2月に移転した新オフィスは、スキーマ建築計画がデザインした。

Flashを用いたWebサイト制作を軸に3人のメンバーが集まってスタートしたShed(シェド)。その事業内容は、急速に変化する市場のニーズとともに、グラフィックデザイン、UI・UXデザイン、サービス開発、ブランディングなどと広がってきた。

自らも第一線で制作に携わってきた創業者/代表でデザインコンサルタントの橘友希さんはこれまでを振り返る。「クライアントのニーズに応じて、社内で制作する範囲がどんどん広がっていきました。メンバーも少しずつ増え、2015年にしっかりとした制作会社として再出発することに。クリエイターが集まる場ではなく、チームでモノづくりを行う組織として定義しました」。

そこからさらに5年後の、昨年の初め。橘さんは自社の立ち位置を「デザインファーム」に改めた。「ここ数年で戦略立案やコンサルティングなど、企業と並走する長期的な仕事の比率が大きくなったためです。自分たちの仕事内容を見返した時、デザインファームの方がShedが提供している価値をより適切に表現できると考えました」。

制作からデザインコンサルへ。それは「狭義のデザイン」から、組織、戦略、ビジョンなどを含む「広義のデザイン」までShedの事業ドメインが拡大したということだ。その変化はアウトプットの精度の向上につながっている。

「戦略からご一緒させていただけると、ミクロとマクロの両方の視点から最適な施策をご提案できます。実際にモノづくりができる私たちがクライアントの近くで課題を共有することで、強みが発揮できると思っています」と、橘さんは話す。

大手やベンチャー企業もクライアント

Shedの事例のひとつに、リコーが“次世代会議空間”と位置付ける「リコープリズム」がある。2020年11月に開設した、同社が新たな働き方を提案する次世代型のワークプレイス「3L」の建物内につくられた、直方体の空間だ。「ブレストモード」「瞑想モード」など、目的に応じてチームの創造性を刺激するコンテンツが用意されている。

東京都大田区に開設されたリコーの次世代型ワークプレイス「3L」と次世代会議空間「リコープリズム」。/photo by GO motion(Yutaka Kitamura),Kenta Hasegawa

「リコープリズム全体のアートディレクションや各アプリのUI・UXデザインなど、トータルでデザイン面をサポートしています。また、3Lの施設全体の体験設計や、リコーが創業100周年に向けて掲げるビジョン『“はたらく”に歓びを』の実現のための研究にも従事。リコー社内の開発チームの他、社外を含む多くのメンバーとコミュニケーションを取りながら、デザインの力を使ってプロジェクトを具体的に前に進めていくお手伝いをしています」。開設はコロナ禍と重なったものの、大手企業の未来を創る取り組みとして経営陣からも支援を受け、現在もさらなるアップデートを行っている。

大手企業に限らず、ベンチャー企業との仕事でもShedの強みは発揮される。「戦略立案と制作が両方できると、実際のアウトプットを想定して、精度の高い提案ができます。しかもスピード感をもってクライアントの要望に応えられるんです」と、橘さん。流通業を中心とした業務改善のサービスを提供するインターサーブや、インフラ領域に強いテクノロジーカンパニーのスリーシェイク、経営人材の供給で企業のイノベーションを支援するIGP Xなど、多様なベンチャー企業と並走を続けている。

インターサーブのインナーブランディングムービー「あいだをつなぐ」。

スリーシェイクの「Reckoner」「Sreake」のブランディング。

それらの企業との取り組みで得た知見を、制作会社など同業他社のブランディングの事例として活かしているのも特徴的だ。「皆、クライアントの良さはわかって表現できても、自分たちがどう見られているか、どう見せればいいのかが意外と難しかったりするんです。お互いに助け合う感じですね」。

現在社員は橘さんなど役員も含め9人。そのうち4人がデザイナー、4人がエンジニアとしてのスキルを軸に活躍する。今後は、「デザイン思考を持ったコンサルティングのできる制作者を増やしたい」と橘さん。「クライアントからお声がけいただいても、人員的な面で期待に応えられていないのが歯がゆいです。社内の教育制度にも力を入れていますが、社外のパートナーも積極的に増やしていきたいです」。

そんなShedは7月で16年目を迎える。「ここまで続けてこれたのもクライアントやパートナーのおかげです。決して業界のメインストリームにいるわけではありませんが、少し外れた位置から常に冷静にビジネスを見つめ、社会に彩りを与えていきたいですね」。



お問い合わせ
株式会社Shed

TEL:03-6427-3367
URL:http://www.shed.co.jp/