「商品を正しく使ってほしい」という積年の思い
広告主として、クリエイターとどのように協力していけば、期待以上の成果が得られるのか—。自分たちだけで広告なり、キャンペーンなりを作るわけではない私たちにとって、これは永遠の課題ではないだろうか。
この連載では、2020年の「販促会議 企画コンペティション(販促コンペ)」でグランプリをいただいた「キャッツアイセイケース」を基に、「殻を破って、一つ突き抜けた結果を得るために」必要なことを、当時の状況やエピソードを振り返りながら、連載としてまとめてみたいと思う。そこまでには、いくつものターニングポイントがあった。できるだけ普遍的なメソッドにできるよう努めつつ、この連載を読む方々にも参考になればうれしい。
さて、読者の皆さんのお勤め先では、消費者向けの啓発活動をしておられるだろうか。私も担当しているのだが、この連載のタイトルにもした〈企画の殻〉が非常に強固になりがちなのが、啓発活動だと思う。
一般に、商品は正しく使ってもらってこそ、真価を発揮するものだ。万が一、使用に際して害を被る方が出ると、業界全体の価値が下がってしまう。たとえばお酒なら飲みすぎや飲酒運転、携帯電話なら「歩きスマホ」……。化粧品でも、食品でも、電子機器でも、クルマでも、正しく扱ってこそ、である。
