【広報担当必見】ネット炎上レポート2021年4月版 〜ファッションブランド炎上及びその再燃について〜

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調査背景・概要

株式会社エルテスでは、公開されているSNSデータを独自に収集・分析し、2019年8月より毎月ネット炎上レポートを公開しております。企業の広報やリスク管理を行う方々に炎上トレンドをお伝えすることで、自社のレピュテーション保護を行っていただきたいという想いを持ち、作成しております。

エルテスの定義するネット炎上
▼定義
ネット炎上とは、オフライン・オンラインでの行動や発言に対して、ネット上で批判が殺到し、拡散している状態を指します。対象に対する批判の投稿量が、通常時と比較して有意に多いことが条件となります。

▼炎上事例の収集方法
SNSやメディアの中で、批判が殺到しやすい媒体を複数選定し、常時ウォッチング。その中で、上記の条件を満たす事象を確認した場合、炎上事例と認定しています。

ネット炎上レポート

 

2021年4月のネット炎上トレンド

4月に起きた炎上に関して対象を区分したところ、最も割合が多かったのは「企業・団体」の72%(前月比-8%)となります。2番目に多いのは「個人・著名人」で14%(前月比+5%)です。

「企業・団体」による炎上の内容ですが、「不適切発言・行為、失言」が半数以上を占め65%、次いで「顧客クレーム・批判」が23%、「不祥事/事件ニュース」は6%、「情報漏えい/内部告発」6%となっています。中でも「不適切発言・行為、失言」は先月と比較して大幅に増加(先月比+34%)しており、中でも飲食店の従業員及びアルバイトによる炎上が目立ちました。

事例の一つとして「ふざけてソフトクリームを機械から直接口に入れる動画」が拡散したというものがあります。こうした悪ふざけの炎上に関しては「バイトテロ」「バカッター」などと呼ばれ、2013年頃に流行語となりました。「令和になっても未だにバイトテロって存在するの?」と感じる方もいらっしゃるかと思いますが、事実として炎上が発生しています。拡散されるSNSや媒体に変化はありますが、問題の本質は変わっていないと言えます。

 

2021年4月の炎上理解の事例

海外ファッションブランドが発表したキャンペーンムービーが「日本文化を冒涜している」として批判を浴びました。批判されたポイントは、地面に敷かれた着物の帯(のような布)をモデルが踏んでいるシーンがあったことです。炎上の発端は、3/28の夜にTwitterへ投稿された一般人の広告への感想だと見られています(広告クリエイティブに対し、感覚的に受け入れられない旨の発言)。この投稿は2.1万件ほどリツイートされ、一気に拡散していきます。

こうした反応を受ける形で、ブランドは3/29からSNSの投稿や動画の削除などを実施。3/30にSNS上で謝罪を行いました。ブランド側は迅速に対応を行いましたが、謝罪と前後してネットメディア及びマスメディアでこのニュースが報道されます。それによって関心が集中し、結果的には3/31が最大の投稿量を集める結果となりました。

これらの投稿について分析した結果、日を追うごとに批判の矛先が変化していることがわかりました。

炎上初期と言える3/29の時点では、批判の矛先は「文化への冒涜」でした。海外ブランドの広告で、着物の帯を踏むという演出があったことに対して、日本の伝統文化を軽視していると感じた人が多かったと言えるでしょう。これに対してブランドは「日本の文化を冒涜する意図はなかった」、「このシーンで使われた布は帯ではなかった」と、謝罪と釈明を行いました。

この演出に関しては日本の有名劇作家による映像作品へのオマージュだという解釈もあり、実際に冒涜する意図はなかったと考えられます。

しかし謝罪の後にも批判は続き、矛先はブランドの謝罪対応に対する不満から、ブランドの日本法人代表やカメラマンが外国人であること、果ては出演モデルへの批判など、様々な方向に飛び火していきます。

中でも謝罪対応に関連して叩かれたポイントとして注目すべき点として以下が上げられます。

・初動対応として広告動画を非公開ではなく限定公開にしたため「サイレント削除」と批判(現在は非公開に変更)
・謝罪文が、日本語版と英語版で釈明内容が異なっており、その対応が二枚舌的だと批判
・謝罪文がテキストではなく画像で投稿されたため、検索逃れの対策だと批判

見方によっては細かな揚げ足取りにも見えますが、謝罪文を画像にする検索逃れなどは古典的な手段として以前から批判の対象となっています。炎上している最中には、こうした一挙手一投足に対し重ねて批判が浴びせられることが理解できます。

こうした点によって、炎上初期の“消火活動”がうまくいかなかったと言えるでしょう。その結果、事態が収束した4/7に当該ブランドはSNS上での投稿を再開しますが、批判的なユーザーがそれに対して「批判の火を消してはならない」という観点で批判投稿が再開されることとなります。

このケースから学び取れるのは、炎上初期の謝罪対応の重要性と難しさです。ブランドは迅速に謝罪をしましたが、対応の中の幾つかの点に批判の余地を残し、一部のユーザーから「不誠実な対応」と受け止められてしまいました。過去に起きたケースから学ぶことで、もう少し批判を軽減することができた可能性があると言えるでしょう。

 

まとめ

2021年4月に起きた炎上では、飲食店の従業員及びアルバイトによるいわゆる「バイトテロ」が目立ちました。こうした炎上が知られるようになって久しいですが、未だに継続的に発生していることについては知っておくべきといえるでしょう。

また特徴的な炎上としては、海外ファッションブランドによる炎上の初期消火に関して学ぶべき点がありました。迅速に、誠実に謝罪対応をしたものの、幾つかの細かな対応が批判者に疑念を抱かせる結果となりましたが、これらは過去の炎上事例について予習しておけば避けられたかも知れません。ネット上では企業への細かな指摘はある種のミームとして常態化しているため、過去の事例と照らし合わせて様々な考察をされるのだという点については、十分に備えておくべきです。

もちろん、そうしたすべての指摘に対応する必要はありませんが、思いもよらない角度からの批判はなるべく減らすべきであり、そういった観点からも日頃からネット上での論調に耳を傾ける、情報感度を高めることが大切だと言えるでしょう。


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