【前回コラム】「15時間目:「なぜ生徒たちがあんなに手を挙げるか教えましょうか?」伝説の教師クマGの教え」はこちら
今回の伝説の授業のガイドはこの方。
「つまらない者、ゾマホンと申します!」
前駐日ベナン大使、ゾマホン氏。2000年前後に放映されていた人気テレビ番組「ここがヘンだよ日本人」をご覧になっていた方も多いだろう。
なぜ今回はゾマホンの登場か?彼の故郷、西アフリカはベナン共和国。そこでは、満月の夜にだけ開かれる学校があるという。その話を改めて聞きたいと思ったからだ。
彼の話は、とても面白い。だが、スイッチが入ると止まらない上、遠くまで脱線するトークの暴走特急。なので、早速インタビューを始めたい。
倉成
「ベナンには、満月の夜だけ開かれる学校があると聞きました。
子どもも昼間は働いている。だから学校に行っていない子も多い。その代わりに、明るい満月の夜に、長老が子どもたちに世界や人生について教える学校を開くと。今日は、そのことについて詳しく教えてください」
ゾマホン
「私の故郷である西アフリカのベナン共和国のダサズメの田舎では、満月の時というのはとても大事です。
私がよく覚えてるのは、毎月お月様が出たら(補足:新月の次の夜の、小さな三日月のこと。月齢1の月)みなさんが喜んで喜んで、誰でもみんな、大人から子どもまで、外に出て、今月は元気になるように、いっぱい仕事できるように、絶対成功できるように、お願いします!祈ります!ということを大声で喋るんですよ。病気になっている人も外に出て、悩んでる人も外に出て。月が出たよー、って。
月は幸せを、運んでくる。元気、運んでくる。成功を、運んでくる。月は全てのお医者さんみたいに解決する。それが月の役割。
月と太陽がないと人間社会の生活は、まるでできない。ベナンで月は、女性の象徴。いわゆる愛情の代表。太陽は、男の象徴。いわゆる戦う、血の代表です。
月は、毎晩毎晩、どんどん大きくなるでしょう?そして満月の夜に、バオバブの大きな木の下で、大人が子どもたちを集めて、歴史の話を始めるんですよ」
倉
「お。ついに伝説の満月の学校の話ですね」

