イラストレーターとして、書籍の装丁・装画や広告ポスターなどを手がける一方、漫画や絵本の制作、小説・エッセイの執筆など、多彩な創作活動を展開した安西水丸氏（1942～2014）。現在、世田谷文学館で開催中の「イラストレーター　安西水丸展」連動企画として、東京・三軒茶屋の生活工房（三軒茶屋キャロットタワー3階）にて「安西水丸ポスター展」が開催中だ。

安西氏は日本大学芸術学部美術学科造形コース卒業後、電通、ADAC（ニューヨークのデザインスタジオ）、平凡社でアートディレクターを務めた後、フリーのイラストレーターになった。独立後は、村上春樹をはじめとする本の装丁や、『がたん ごとん がたん ごとん』などの絵本、和田誠との展覧会、広告や執筆活動など、幅広く活躍。そのかたわら、小説、エッセイ、漫画、絵本などの自著も多く手掛けた。「その人にしか描けない絵」を追求し、身近なものを独自の感性で表現した作品は、今なお高い人気を博している。

本展では、1970年代から2010年代にかけて制作した広告などのポスターを展示している。展示されるポスターは、資生堂、東京ガス、三和酒類、良品計画、東急百貨店、東急電鉄、モリサワ、後楽園スタヂアム、チネチッタなど約25点。会期は、7月18日まで。

なお世田谷文学館、生活工房以外に、7月10日までスペースユイ（南青山）、7月17日までギャラリー山陽堂（表参道）にて、安西水丸の展覧会が開催されている。

「iichiko」三和酒類（1983年）

「The4th.WALKINGSHIBUYA」東急電鉄（制作年不明）

「資生堂化粧品デー」資生堂（1983年）

「パル」（発行元・制作年不明）

会期：開催中、7月18日（日）まで
時間：10時～18時 月曜休み
会場：生活工房（三軒茶屋キャロットタワー3階）
入場無料