18時間目:沖縄戦で亡くなった方と同じ数、23万6095個の石に番号を振って、積み上げる。

イラスト:萩原ゆか

「石の声」。

沖縄出身の、もうかれこれ15年以上一緒に教育プロジェクトをやっている仲間、舘林恵が教えてくれた伝説の授業の名前である。曰く、

「沖縄戦で亡くなったとされる236,095人と同じ数の石に、1~236,095まで番号をひとつずつ書いて積み上げていく。ただそれだけ。

何の意味があるんだろうって、最初は思ってたんです。それが書き続けるうちに、ただの石ころが、骨に、命に、途絶えた未来の数に見えてきて。気付くと泣きながら書いてましたね。数日間かけて、やっとみんなで書き終えた時、小さな石は大きな山になってて。今まで公式を覚えるように暗記していた『23万人以上の戦没者』の途方もない数に、ただただ圧倒されてました。『以上』とか『約』で大まかになんてくくれない命の数だったんだって、初めて理解できた気がしたんです」

その伝説のワークショップをされた、伝説の金城満先生をZoomで紹介してもらった。

こちらが「石の声」の伝説の美術教師、金城先生。現在、琉球大学教職大学院教授。

倉成

「伝説の授業教えて、って言ったら、すぐ石の声!って言ったよね」

舘林

「問いを持ち続けざるを得ない強烈な体験。あの場所とか暑さも含めて、今でも体と心で覚えてるワークショップっていうのは後にも先にもない」

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倉成英俊 (Creative Project Base 代表取締役/ アクティブラーニングこんなのどうだろう研究所所長)
倉成英俊 (Creative Project Base 代表取締役/ アクティブラーニングこんなのどうだろう研究所所長)

2000年電通入社、クリエーティブ局配属後、多数の広告を制作。2005年に電通のCSR活動「広告小学校」設立に関わった頃から教育に携わり、数々の学校で講師を務めながら好奇心と発想力を育む「変な宿題」を構想する。2014年、電通社員の“B面”を生かしたオルタナティブアプローチを行う社内組織「電通Bチーム」を設立。2015年に教育事業として「アクティブラーニングこんなのどうだろう研究所」を10人の社員と開始。以後、独自プログラムで100以上の授業や企業研修を実施。2020年「変な宿題」がグッドデザイン賞、肥前の藩校を復活させた「弘道館2」がキッズデザイン賞を受賞。

倉成英俊 (Creative Project Base 代表取締役/ アクティブラーニングこんなのどうだろう研究所所長)

2000年電通入社、クリエーティブ局配属後、多数の広告を制作。2005年に電通のCSR活動「広告小学校」設立に関わった頃から教育に携わり、数々の学校で講師を務めながら好奇心と発想力を育む「変な宿題」を構想する。2014年、電通社員の“B面”を生かしたオルタナティブアプローチを行う社内組織「電通Bチーム」を設立。2015年に教育事業として「アクティブラーニングこんなのどうだろう研究所」を10人の社員と開始。以後、独自プログラムで100以上の授業や企業研修を実施。2020年「変な宿題」がグッドデザイン賞、肥前の藩校を復活させた「弘道館2」がキッズデザイン賞を受賞。

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