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みんなの銀行とアクセンチュア インタラクティブが挑む「新たな銀行」体験の創出

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「国内初のデジタルバンク」を標榜する「みんなの銀行」が、5月28日のサービス提供開始から約2カ月を迎えた。7月15日時点での口座開設数は7万件に上る。その「みんなの銀行」のビジネスやシステム構築、マーケティングなどを全面的に支援しているのがアクセンチュアおよびアクセンチュア インタラクティブだ。「新しい銀行体験」の創出・普及を担う「みんなの銀行」マーケティンググループの長谷部竜也氏と、アクセンチュア インタラクティブの望月良太氏の両氏から、ビジネス変革支援のあり方を探る。
 

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左)「みんなの銀行」マーケティンググループ 長谷部竜也氏
右)アクセンチュア インタラクティブ 望月良太氏

—「みんなの銀行」が掲げる〈デジタルバンク〉とは何ですか

長谷部竜也氏:まず伝統的なインターネットバンキングやインターネット専業銀行は、言葉を選ばずに言えば、ほとんど従来の銀行と同じです。リアルな店舗を持つか持たないかの違いはありますが、商品・サービスや業務オペレーションなどは同一のものだからです。

一方、デジタルバンク「みんなの銀行」はスマートフォン完結を前提としており、商品・サービス、業務オペレーション、それを動かすシステムをゼロベースのアプローチで設計しています。お客さまの声を聞きながら、銀行のサービスの煩雑さをなくして、ユーザー起点の全く新しい銀行を作りたいと考えています。

たとえば、サービス提供開始から約1カ月時点で、スマートフォンアプリの改善も図りました。一般的な銀行で同じことをしようとすると、半年単位で時間が必要ですが、「みんなの銀行」では2〜3日のペースで意思決定が進みます。こうした点からも違いは見てとれると思います。

「みんなの銀行」マーケティンググループの長谷部竜也氏

—ターゲットはミレニアル(Y世代)、Z世代とのことですが

長谷部:デジタルネイティブ世代と呼ばれるミレニアム世代とZ世代は、デジタルサービスと共に育ってきた層ですが、2030年には、日本の就労人口の6割が、このデジタルネイティブ世代になります。そのときに選ばれる金融サービスになるためには、いまから彼ら、彼女らの声を聞き、暮らしに溶け込んでいくことが必要と考えています。

ユーザーが実現したいことにどれだけ寄り添えるか。どうすれば、新しい銀行をつくるためにユーザーを巻き込めるか。それも含めて、どのようなあり方がよいのかを探していきたいですね。

「Wallet」(ウォレット、普通預金)では、支払いや振込、ATM入出金までスマートフォンオンリーで利用できる。「使っていいお金」を「Wallet」に入れれば、キャッシュカードや現金を持ち歩く必要がなくなる。 「みんなの銀行」の支店名は、ハーバーブリッジ、ブルックリンブリッジなど、世界の7つの橋の名称を冠している
貯蓄預金の中に仮想の“箱”を作り、目的に合わせて個別にお金を管理・貯金できるのが「BOX(ボックス)」。「Wallet」から簡単に預金を移動できる。ボックスは最大20個作ることが可能

—アクセンチュア インタラクティブはどのように関わっていますか

望月良太氏:ビジネス、システム、デザイン、マーケティングと、文字通り二人三脚で支援させていただいています。マーケティングだけお願いします、という案件ではありません。と言うよりむしろ、ビジネスやシステムの面にも早いタイミングから携われていることが、マーケティングにおいても有効に働いています。

たとえば「ユーザーにとってこんな機能があるとよい」ということがわかったときに、すぐに実行へ移せるということです。マーケティング領域のみを担当している場合、往々にして業務やシステムサイドとの調整や折衝で時間がかかったり、案件の優先度が後回しになったりすることがあります。

一方で、アクセンチュア全体としてビジネスやシステムも一緒にご支援している中では、何が一番顧客にとって良いのか、みんなの銀行の提供するサービスやビジネス達成に必要であるのかを即座に全体最適の視点から検討し、行動に移すことができます。これはアクセンチュア、アクセンチュア インタラクティブとしての大きな強みであると思います。

—アクセンチュア インタラクティブの印象は

長谷部:コンサルとは、一度業務支援内容を決めたらそこから一切、レールからは外れない、決めたことだけをやるというイメージがありましたが、大きな誤解でした。何をするにも必ず目的やゴールに照らしてムダなこともしない。とても柔軟だな、というのが正直な感想です。

また、知見の幅が広いというのは実感します。営業だけ、プランニングだけ、といった、いわゆる分業、単能工ではなく、まさに総合力。私が管掌するマーケティンググループでは、狭義の意味での広告宣伝だけではなく、広い意味での市場創造からビジネス構築まで、幅広く対応できるようにしようとしているのですが、それだけに業務が多様なのです。「業務のこの部分のリソースが足りない」「この領域の知見が欠けている」と感じたとき、「こういう人はいませんか?」と相談すると、すぐに専門知識をもったスタッフが補われるのには驚きました。

また、アクセンチュア インタラクティブには、マーケティンググループ組成の手助けもいただきました。

望月:そうでしたね。2020年4月でしたか。リーダーである長谷部さん含め、メンバーの方が一度に入社されて。我々はその半年前からご支援をさせていただいいておりました。

長谷部:リーダーである私も、グループメンバーも一緒に入社しました(笑)。しかもメンバーは銀行出身者でないばかりか、バックグラウンドも多様でしたし、得意分野もそれぞれ異なっていました。

望月:当初、マーケティンググループとして立ち上がるまでにしばらく時間がかかるのかなと思っていましたが、1カ月後には機能されてましたね。すごいスピードでした。

長谷部:いまでは、業務内容によって、アクセンチュア インタラクティブの方へ依頼する場合、こちらが主導する場合、お互いにアジェンダを持ち寄る場合と、ワンチームとして非常に柔軟に対応できていると思います。その過程で、アクセンチュア インタラクティブの知見を吸収して、学ばせていただくことも少なくありません。

望月:最終的には我々のご支援は必要なく、「みんなの銀行」内で全て内製化、自走化されるのだと思います。

アクセンチュア インタラクティブ 望月良太氏

—クライアントが内製化を果たしてしまうと、仕事がなくなってしまうのでは

望月:クライアントの内製化を目指すというのは一見、お金にならないと思うかもしれませんね。

クライアントが自走できるように、と言うのは簡単ですが、実際にやるとなると時間もかかるだけでなく、深い関係を築く必要があります。短期間で通りいっぺんのメニューを提供するだけでは、そうした関係構築はまず不可能でしょう。

そこでアクセンチュア インタラクティブではどうしているかと言えば、各社で異なる状況、課題、要望に合わせながらカスタムメイド型の伴走をしているわけです。そのため、どんなケースにも対応できるよう、組織的な能力を常に強化しています。そういったことができる会社はなかなかなく、競争力につながっているのではないかと思います。

それに、ポイント、ポイントで目標としてのゴールはあっても、基本的にはビジネスに終わりはありません。時代の変化に先駆け、次に目指すゴール、その次に目指すゴールと、新しいご提案、アジェンダの提供を続けていく。それこそがアクセンチュア インタラクティブの提供する価値ですし、結果、クライアントも我々もお互いに成長する、ということです。仕事がなくなることはありません。

—みんなの銀行 マーケティンググループの組成のポイントは

長谷部:個々人の姿勢を挙げるとするなら、たとえばサッカーで「自分はフォワードだから点を取るだけが仕事」という人は厳しいだろう、と思います。自分の担当ではないからと知らん顔で通していたら、立ち上げから1年でここまで来ることはできませんでした。

これは、アクセンチュア インタラクティブの方々にも感じるところですね。

望月:我々も常に「ポテンヒットが起きないように」意識しています。積極的に、先回りして手を貸し、手を打つクセがついているのだと思います。

もうひとつは目的志向です。何をすればクライアントのビジネスに寄与するのか、という考え方が根付いている。アクセンチュアグローバル共通の行動指針です。目的や論点を明確にし、アウトプットにコミットする。戦略だけでなく実行や実現まで担う、ということはそういうことです。

—サービス提供開始から約1カ月半で口座開設数が7万件に到達しました。今後は

長谷部:2023年度までに120万件の口座を獲得し、事業を黒字化させるという眼前のゴールに向けた滑り出しとしては順調だと思います。開設いただいたユーザーの方々に向き合いながらサービスをブラッシュアップしつつ、マーケティングでも顧客起点でユーザー拡大を図っていきます。

ここまでの1年間はまさに怒涛で、銀行免許を取得したり、システムを構築したりといった傍ら、世情もどんどん変化しました。その変化はユーザーの行動や心理にも反映されます。世界的なIT企業の動向もあれば、セキュリティは大丈夫か、といった社会的な関心事もある。

収益につなげるという基本主軸はありながら、必ず顧客起点に立ち戻って、変化を見極め、状況を判断していかなくてはなりません。そういう足並みに合わせて、アクセンチュア インタラクティブの皆さんに助けを求めたり、先々のご提案をいただいたりしています。

望月:私たちとしても、国内初のデジタルバンクの創設をご支援させて頂いたのは非常に貴重な経験であり、様々な挑戦が伴うプロジェクトのひとつになっています。ビジネスパートナーとして状況に合わせながら最適な伴走ができればと思います。


お問い合わせ
アクセンチュア株式会社 インタラクティブ本部

MAIL:JPN.EH.Interactive.Recruiting@accenture.com

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