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コラム

クライアントとして、企画の殻を破る方法

【第3回】全員が納得して優れた企画を選び出す、そんな方法を必死に考えた

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これまでのあらすじ

前回のコラムでは、クリエイターからいかに尖ったアイデアが出てくるようになるかを考える上で、話題を提示する側としてさまざまな葛藤があること、そしてその葛藤に躊躇せずに、困っている現状を、オブラートに包まず、さらけ出すことが大きなポイントであった状況について解説した。

その甲斐あって、当初の想定を大きく上回り、殻を破った解決策が続々と集まりつつあった。しかし、その中からたった1案だけを、関係者の合意を得て選定しなければならない。

どのように取り組めば、独善的にならずに組織内で合意を得て、選定作業を進められるのか。「多くの企画案の中から、我々クライアント側の社員が納得感を得つつ評価する方法は?」——これが今回のテーマだ。

単に好き嫌いで意見が分かれているならまだしも、それが理屈でくるまれていると、議論は果てしなく続き……(写真=123RF)

アイデア選定メンバーを社内公募

いままでアイセイでは、このように外部の協力を得てアイデアを集めたことがなかったため、社内にとっても新しい試みとなった。だからこそ、従来の職務だけでは得られない経験ができる、またとない機会になることは確実であった。そこで、エントリーから審査に至るまでの一連のプロセスを担うプロジェクトチームを立ち上げ、メンバーを社内で公募した。

もちろん実務面でのクオリティを担保するため、先んじてキーマンと目するメンバーには声をかけておいたが、公募に応じる前向きな希望者はすべて受け入れることで、ある意味では社内革新の起爆剤として、利用させてもらうことにした。

社内公募はおかげさまで多くの人に手を上げてもらえた。公募者の職種も多岐に渡り、マーケティングや営業、業務、物流、EC、総務、さらには現在は顧問を務める前社長まで参画。プロジェクトメンバーは17人を数えることになった。

多数決は、構成員の同質性が高ければ意味があるが、多様性を前提とすると……?(写真=123RF)

次ページ 「価値観の異なる社員が納得する選考基準」へ続く