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目的×事例で選べる マーケティング事例のショーケース

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ベクトルグループは2021年5月、“広告業界のEコマースサイト”をコンセプトに掲げるサービス「ヒロメル」をリリースした。コミュニケーションもネットで買える時代を標ぼうする「ヒロメル」は日本のマーケティング業界にどのようなインパクトを与えるのか。月刊『宣伝会議』編集部が、そのプロジェクトの全容に迫る!

ヒントは車のネット販売 広告業界のECサイト目指す

2021年5月、ベクトルグループは“広告業界のEコマースサイト”をコンセプトに、モノを広める時に必要な手法を成功事例から選べる新サービス「ヒロメル」の提供を開始した。PR、マーケティング、ブランディングなど、ベクトルグループが手掛けた“ヒロメル”手法を事例(開設当初は約300事例)から選べるサービス。

豊富なケーススタディから手法を選べ、またその事例を手掛けた担当者にオンライン、オフラインと希望に合わせて問い合わせをすることが可能だ。広告ビジネスの新しいモデルともいえる「ヒロメル」は、どのような課題をもとに生み出されたのか。また、「ヒロメル」は今後、日本のマーケティング業界にどのようなインパクトを与えるのだろうか。

――コロナ禍でクライアント企業は新しいパートナー探しが難しくなっていると聞きます。「ヒロメル」は、そうしたニーズに応えて開発されたのですか。

:実は、「ヒロメル」のプロジェクトが始まったのは2017年のこと。当時、自動車のネット販売が話題になり、コミュニケーションプランも同様に24時間365日購入できるサービスをつくったらどうか?というアイデアから企画が生まれました。当時、コミュニケーション手法が多様化したことで、何をどう選べばよいのかわからないという課題の声を聞く機会が増えていました。そこで事例から選べるというコンセプトに行きつきました。

――施策の種類が増えすぎて、「オリエンができない」という声も聞きます。

:抱えている課題に対して、どのような施策を行えば解決につながるのか。課題もそして施策も複雑化した今の時代、要件を定義すること自体が難しくなっていると思います。

その点、「ヒロメル」は現時点で約300の事例を掲載していますので、具体的な事例をもとに、クライアントが実現したい施策を想像しやすくなると考えています。

――自分が望むコミュニケーションプランが見つかったとしても、予算感が合うかどうかは不安なところ。すべての事例に目安となる価格を提示している点は挑戦ですね。

:コミュニケーションプランの価格の妥当性を判断するのは難しいですよね。そこで「ヒロメル」では過去にどの担当者が、どれぐらいの金額でそのプランを実行したのかを明示。複数の事例を見れば、相場感が理解いただけると思います。

300の事例を見ながらやりたいことが見えてくる

――「ヒロメル」は現在のクライアント企業の悩みを解消するためのサービスとして開発されたと思います。今、企業はどのような悩みを抱えていると思いますか。

:お問い合わせの内容を大まかに分類すると、「適正な価格が知りたい」「簡単なことから始めたい」「何をやっていいかわからない」の3点に絞られます。

「ヒロメル」には、ベクトルグループが持つ豊富なPR・広告・マーケティングの成功事例を掲載しており、有名企業や話題になった商品・サービスの成功事例を参考にしながら、希望の広め方を探すことができます。目的や業界、業種別にケーススタディを閲覧できるため、短時間で、最適な手法を選択可能です。

さらにメディアパブリシティや記者発表会、タレントやインフルエンサーを起用した施策、動画やオウンドメディア制作など、モノを広めるための手法を、ワンストップで提供しています。そして成功事例の担当者に直接相談でき、予算や条件に合った提案を受けることができるという特徴を持っています。

「ヒロメル」に掲載されている事例はPRだけではなく、デジタルマーケティング、ブランディング、広告など多岐にわたります。「コロナ禍でリアルでのオリエンができない」「何が課題なのかわからない」という担当者の方々も、これだけバラエティに富んだ事例をご覧になっているうちに、「これはデジタルマーケティングでやるべき」とか「PRでやろう」とご自身で気が付くことがあるはずです。予算内でこれだけのことができると企画に広がりを持っていただけると思います。

そして、「ヒロメル」がクライアントの課題解決への入り口になればいいと思っています。私たちはそれらの課題解決に向けて並走させていただきたいと考えています。

何をしていいか、わからなくて何もできない会社を減らしたい

――価格の掲載は、広告業界に対するインパクトも大きいのではないかと推察しますが。

:広告業界以外の産業では、価格を含めて取引をより透明化していく流れにあると思います。私たちの業界もその流れに追随すべきであると考えます。ローンチしてからの反響ですが、想像以上に好意的で広告会社の方々からも「こういうサービスが必要だと思っていた」と感想をいただいています。今までは広告会社と発注者側には情報の非対称性があったわけですが、情報をオープンにし、非対称性を解消することが、広告業界のためになると信じています。

――今後、クライアント企業に対してどのような価値を提供していきたいと考えていますか。

:例えば、ネット広告は使っているけれど、何か新しい施策を始めたいが次の打ち手がわからないという声をよく聞きます。最近だとDtoC系のブランドで多い課題で、ネット広告には習熟しているけれど、次の打ち手がわからず、いきなりテレビCMを打った方がよいのか、と悩んでいる。対象顧客の規模を考えれば、まずはメディアパブリシティに取り組む方が得策だったりするのですが、どのような選択肢があるかわからずに悩んでいらっしゃる。

また予算規模の大きくないBtoB事業の場合にも、広告を打つほどの予算はないけれど何かしたいというニーズがあります。こうした場合、「PRとデジタルマーケティングを掛け合わせて、1000万円以内でおさめたい」というのが市場のリアルなニーズ。

「何をしていいかわからなくて何もできない」という会社が、「ヒロメル」を通して、ひとつでも多くのマーケティング施策に取り組み、成功してさらにマーケティング投資を増やしていくのであれば、広告業界全体にとっても、ポジティブな結果をもたらすと思います。

【編集部の視点(取材を終えて)】

長年、マーケティング施策にはメディアや手法に縛られない柔軟な発想が必要だと言われながら、結果的には広告・マーケティング担当者側のアイデアや意思を基点に最適な施策を選べる環境は、まだまだ実現していないと思います。

加えて、「企業やモノを広めたい」といった際に、そこには明確な対象者がいて、より多くの人に広まりさえすればマーケティング活動の成果が出るとも限りません。もっと気軽に、自分たちの顧客規模に合わせたプランをアイデアと意思を基点に選びたい。そんなニーズに応える「ヒロメル」は、いきなりマス広告に挑戦するのはちょっと心配…。

そんなマーケティング初心者企業のニーズを取り込み、コミュニケーション施策の目利き力を高め、結果的に広告業界全体に新しいクライアントを呼び寄せるきっかけをつくるのではないかと思います。

株式会社ベクトル
「ヒロメル」プロジェクトマネージャー
桂 俊成氏

大学卒業後、ベクトルに入社。グループ内のPR事業会社イニシャルに出向し、社長室にて新規事業参画やIRの業務を兼任。2015年、同アンティルに異動。顧客の売上向上に導くコミュニケーション設計力を武器に、2年連続で全社営業MVPを獲得。2020年、アンティル代表取締役に就任。「ヒロメル」プロジェクトマネージャーを兼務。

 



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