読んでない本を堂々と語る人
編集者の中には、読んでない本について堂々と語る人がいる。私もそうだ。
ベストセラー書籍の『ライフシフト』。最初に白状しよう。私はこの本を読んでいない。一応、手には取って、目次を見たあと、高速でページをめくった。なので、何が書いてあるかは大体知っている。でも、決して速読の技を持っているわけではなく、いたるところで、いろんな人が論評しているから内容を知っているに過ぎない。ベストセラーとはそういうものである。
とにかく示唆に富んだ良い本であることは間違いないので、あやかってこのコラムのタイトルに使わせてもらうことにした。
55歳の秋、私は30年以上勤めた出版社、ダイヤモンド社を辞める決意をした。1989年4月に新卒入社して以来、そのほぼすべての時間を「週刊ダイヤモンド」と「ダイヤモンド・オンライン」と共に過ごし、両メディアでは編集長も務めた。このまま定年まで勤め上げるのかな…と周りも思っていたに違いない。
ところが、まったく畑違いの業界、それもベンチャー企業に身を投じることにした。意識高い系の人たちがブログに書く「退職エントリ」っぽい言い回しをするとすれば「創業108年の老舗出版社を『卒業』、10年目のスタートアップに『ジョイン』した」のである。
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深澤 献(TBM ブランド&コミュニケーションセンター長)
深澤 献(TBM ブランド&コミュニケーションセンター長)
ふかさわ・けん/広島県出身。株式会社TBMのブランド&コミュニケーションセンター長。1989年ダイヤモンド社入社。『週刊ダイヤモンド』でソフトウェア、流通・小売り、通信・IT業界などの担当記者を経て、2002年10月より副編集長。16年4月よりダイヤモンド・オンライン(DOL)編集長。17年4月よりDOL編集長との兼任で週刊ダイヤモンド編集長。19年4月よりサブスクリプション事業や論説委員などを経て、22年2月に新素材スタートアップのTBMに転じる。著書に『そごう 壊れた百貨店』『沸騰する中国』(いずれもダイヤモンド社刊・共著)など。趣味はマラソン。
深澤 献(TBM ブランド&コミュニケーションセンター長)
ふかさわ・けん/広島県出身。株式会社TBMのブランド&コミュニケーションセンター長。1989年ダイヤモンド社入社。『週刊ダイヤモンド』でソフトウェア、流通・小売り、通信・IT業界などの担当記者を経て、2002年10月より副編集長。16年4月よりダイヤモンド・オンライン(DOL)編集長。17年4月よりDOL編集長との兼任で週刊ダイヤモンド編集長。19年4月よりサブスクリプション事業や論説委員などを経て、22年2月に新素材スタートアップのTBMに転じる。著書に『そごう 壊れた百貨店』『沸騰する中国』(いずれもダイヤモンド社刊・共著)など。趣味はマラソン。
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