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居山浩二・小玉文・田中良治ら参加「グラフィックトライアル」4月23日から

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印刷博物館P&Pギャラリーで4月23日から、「グラフィックトライアル 2022 -CHANGE-」が開催される。クリエイターと凸版印刷が持つ技術のコラボレーションによって、新しい印刷表現を生み出すというプロジェクトで、今回で16回目。会期は7月24日まで。

今回の制作テーマは「CHANGE」。コロナ禍を経て到来している新たな価値観や世界観を受けて、それぞれのクリエイターが見出した「CHANGE」の形をポスター作品にした。参加クリエイターは、居山浩二、GOO CHOKI PAR、小玉文、田中良治、増永裕子。展覧会では、クリエイターの独創的なアイデアと印刷技術を組み合わせて完成させたポスターと、制作過程での数々のトライアルを紹介する。

居山浩二氏の作品は「Not Dot」。印刷の基本要素である網点を「ドット」というルールから解き放ち、表現の可能性を確かめる試みとなる。「スクリーンメーカー」という偽装防止の観点から生まれた技法により、居山氏がデザインした一つひとつの画像データを網点化。絵柄の濃度にあわせて自動配置し、オリジナル網点でCMYKの版を作成する。

居山浩二「Not Dot」

GOO CHOKI PARの作品は、仮面舞踏会を意味する「MASQUERADER」。紙を半透明にする特殊加工「ワックスプラス」によって、表と裏の境界を曖昧にした奥行きと質感のある作品が完成した。表裏印刷と用紙の選定の実験を繰り返し、独特の質感を追求している。

GOO CHOKI PAR「MASQUERADER」


小玉文氏が制作したのは「トライ・アン・ケム」。「ケム」とは煙や雲、露などを意味する小玉氏の造語で、「ケム」による「隠し表現」を印刷によって表現する。オフセット印刷、シルクスクリーン、インクジェットなどでさまざまな「ケム」を表現しており、まるで水滴のような質感を再現した「結露印刷」など思わず触ってみたくなる加工が満載だ。

小玉文「トライ・アン・ケム」

田中良治氏は映画『ヴァージン・スーサイズ』に登場する5人姉妹をモチーフとした作品「5 SISTERS」を制作。バックライトパネルを利用し、グラフィックをネオン管のように光らせるという試みだ。裏側から光を遮蔽するインキとネオン管を表現するインキとを刷り分け、ライトがオンのときだけ絵柄が浮かぶように設計している。

田中良治「5 SISTERS」

凸版印刷のセキュリティデザイナーとして偽造防止技術と意匠性の両立に取り組んできた増永裕子氏は、さまざまなホログラムの効果を用いた作品「BORDER」を制作。ヨーロッパの地図や時差をモチーフに、光や見る角度によって様相を変えるホログラムによって空気や時間の「境界」を表現。オフセット印刷によるホログラム効果の再現にも取り組んだ。

増永裕子「BORDER」