第2話:クリエイティブって何?

「ここはクリエイターの方に頑張っていただき、クリエイティビティを存分に発揮して、今までにないクリエイティブなものをつくってください」。

こんな言葉を聞くと、プレッシャーでその場から消えたくなります。誰に教わったわけでもないのに、クリエイターの使命は無から有を生み出すこと。0から1をつくれなければ真のクリエイターとは呼べない、と自分自身に課していませんか?それは、思い違いです。

クリエイティブとは、今までに全く無かったものを生み出すわけではないのです。そもそも「太陽の下に新しいものはない。」と旧約聖書にもあります。かのニュートンでさえ、「私が遠くを見渡せるのは、ひとえに巨人の肩に乗っているから。」と自らの功績を先人たちに捧げています。本当に新しいものは、この世にはほとんど無いということです。自分が思い付いたことは、世界のどこかで誰かがすでにやっている可能性があります。だから、無闇に新しいもの探しをするのではなく、謙虚に先人の到達した高みを知った上で、自分の仕事に取り組むべきだと思います。

先人たちの仕事をご紹介します。

「Think Small.」これは、Volkswagen社Beetle北米ローンチ時のヘッドライン。半世紀以上前、全長7m超のアメ車が人気の市場では、小さなドイツ車は売れるわけがないと見込まれていました。そこにあえて、小さいという商品特長から、「小さく考える」という時流とは正反対のコンセプトを導き、クリエイティブ表現に繋げたものです。つまり、【プロダクト → コンセプト → クリエイティブ表現】という流れ。コンセプトをコピーやビジュアルで表現することが、クリエイティブの仕事でした。

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内田しんじ(DENTSU ONE CHINA(広州)/ ECD)
内田しんじ(DENTSU ONE CHINA(広州)/ ECD)

うちだ・しんじ/大学在学中よりコピーライター@プロダクション(1984-89)からスタートし、DY&R(1989-’99)→TBWA/JAPAN(1999-’04)ECDを経て電通へ。現在、DENTSU ONE@広州(2020-)。外資系と電通でほぼ半々(約15年ずつ)のキャリア。3つの代理店で3つのクルマ(VOLVO→NISSAN→Honda)を担当。ウイスキーやコニャックを担当するも下戸。1988年度TCC新人賞(講談社)、1994年カンヌシルバー(スーパーニッカ)、2000年朝日広告大賞(アップルコンピュータG3)、2003年カンヌファイナル(フリスク)、2004年アドフェストブロンズ(NISSANカウゾー)、2011年ギャラクシー賞(AC公共広告機構)、2013年ACC+ADCグランプリ(Honda負けるもんか)、2018年中国国際広告賞ゴールド(Acura China)など受賞多数。2013年全広連広告大学・夏期セミナー講師。

内田しんじ(DENTSU ONE CHINA(広州)/ ECD)

うちだ・しんじ/大学在学中よりコピーライター@プロダクション(1984-89)からスタートし、DY&R(1989-’99)→TBWA/JAPAN(1999-’04)ECDを経て電通へ。現在、DENTSU ONE@広州(2020-)。外資系と電通でほぼ半々(約15年ずつ)のキャリア。3つの代理店で3つのクルマ(VOLVO→NISSAN→Honda)を担当。ウイスキーやコニャックを担当するも下戸。1988年度TCC新人賞(講談社)、1994年カンヌシルバー(スーパーニッカ)、2000年朝日広告大賞(アップルコンピュータG3)、2003年カンヌファイナル(フリスク)、2004年アドフェストブロンズ(NISSANカウゾー)、2011年ギャラクシー賞(AC公共広告機構)、2013年ACC+ADCグランプリ(Honda負けるもんか)、2018年中国国際広告賞ゴールド(Acura China)など受賞多数。2013年全広連広告大学・夏期セミナー講師。

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