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「タレントリスト」が見据えるタレント起用コンテンツの未来

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タレントを起用したコンテンツ企画制作を行う「タレントリスト」。現在リアルイベントをはじめ、動画や漫画、音声作品など幅広いコンテンツに携わり、日々成長を遂げている。同社の転機となったコロナ禍の変革、タレントを起用したコミュニケーションのあるべき姿について代表取締役の山中もとお氏に聞いた。
cover model:篠崎こころ、真奈、村上りいな、天羽成美/photo:尾上恭大/stylist:川端マイ子/hair make:田有伊

 
タレントリストは、イベントやイメージキャラクターに芸能人をアサインするタレントキャスティングをはじめ、各種コンテンツの企画・制作をワンストップで手掛けている。『タレントをもっとカジュアルに活用してほしい』という思いから生まれた同事業について、代表取締役の山中もとお氏は「広告会社に勤務していた頃、タレント起用は費用や企業側の先入観も含めてとてもハードルが高いものでした。タレントリストは『LP(ランディングページ)のワンポイントだけでもタレントを使えたら』という、私自身が経験したもどかしさを原点に立ち上げました」と成り立ちを話す。

タレントリストは、2019年8月にタレントキャスティングサービスを開始して以降、多岐にわたるコンテンツ企画・制作依頼に応えてきた。しかし、2020年1月に新型コロナウイルスの感染が国内で初めて確認され、緊急事態宣言が発令されると状況は一変する。外出自粛やイベント開催制限などの感染防止対策は、それまでのイベントの在り方を変え、タレントリストや芸能プロダクションに大きな打撃を与えた。

タレントリスト代表取締役社長の山中もとお氏

「コロナ禍に入り、リアルイベントは軒並み中止されました。芸能プロダクションは、企業の催しや地方のお祭り、学園祭などにタレントを派遣する“営業”が主な収入源ですので、その影響は深刻です。当社においてもコロナ流行後はリアルイベントの依頼がぱたりと止まりました」(山中氏)

コロナ禍に事業領域を拡大

業界全体が為す術なく収束を待つ一方、山中氏はコロナ禍がタレントリストの転機になったと振り返る。リアルイベントの減少に反して、動画、SNS、WEBメディア記事、漫画、音声作品といった幅広いコンテンツの相談が寄せられた。中でも、漫画は漫画制作配信会社から依頼された異色の案件だ。コロナ以前の制作実績はなく、当初は原作を手掛ける程度だったが、そこから作画担当の漫画家と契約し、出版社や編集者の指導の受け、トライ&エラーを繰り返しながらノウハウを蓄積した。その結果、現在は漫画コンテンツを自家生産できるまでに至っている。

企業案件では、YouTubeをはじめとした動画依頼が増加。背景には、イベントによる一時的な効果よりも、長期的な効果を期待する企業側の変化がある。それに対して山中氏は「新たにスチールカメラマンや映像クリエイターと契約し、より高いクオリティの動画を制作できる基盤を強化しました」と社内強化を図り、その要望を叶えてきた。

「リアルイベントありきだと、一緒に仕事がしやすいタレント、平場でのスキルに長けたタレントにキャスティングが偏りがちですが、動画などの制作物であればインパクト重視のキャスティングが有効になります。コロナ禍を乗り越える一手として、当社に期待してくださる企業様に応えるため、コンテンツとの相性を考慮したキャスティング・企画を徹底しました」(山中氏)

さらに、コロナ禍でSNS関連の問い合わせも顕著に増えた。タレントリストでは、インフルエンサーとして知名度が高く、SNSユーザーの支持を集めるお笑い芸人やタレントを起用している。起用タレントの拡散力に加えて、動画コンテンツやイベントレポートなど関連コンテンツと連動させ、多層的な施策として展開する点も特徴だ。

企業・タレントに寄り添う

目まぐるしく変わる社会情勢に順応し、事業領域を拡大してきたタレントリスト。2022年は流行収束の兆しが見える中、リアルイベントも復調傾向にある。山中氏は「社会全体の景気回復を追い風に、企業様からは『今年はタレントを使って盛り返したい』という意気込みがひしひしと伝わってきます」と現状を喜びつつ、今後の課題にも目を向ける。

「2年以上にわたる試行錯誤の末、タレントキャスティングだけでなく幅広いコンテンツ制作のノウハウを身につけ、企業様により幅広い提案ができるようになりました。ただ、コロナが収束するまでは、リアルとオンラインのハイブリッドイベントなどの折衷案も増えると見込んでいます。新たな形態ということで、タレントを起用する意義やターゲットの反応など検討すべきことはありますが、しっかりと効果・収益を生み出す仕組みを考えていきたいです」(山中氏)

コロナ禍の影響を受け、企業は一時的ではなく長期的な効果をコンテンツ施策に求めるようになった。キャスティングにおいても、企業や施策に対する理解度が高まり、クオリティの高いコンテンツ制作に寄与するという観点から、同一タレントを長期的に起用ケースが増えている。しかし、安易なタレント起用は意図しない企業イメージの定着につながり、展開可能な施策が限定されるリスクもあり、そのうえで山中氏は企業がタレント起用時に意識すべき点に言及する。

「希望するタレントありきで企画を実施したい気持ちはよく分かりますが、当社は『どんな企画にしたいか』という方向性を明確にしてから、企画に合致するタレントを選ぶ方法を提案しています。その結果、企業様にとっては想定外のタレントを薦められることもあるかもしれません。理想とする企業イメージを醸成するには、成熟度合いに応じた施策が必要であり、『まずは当社がおすすめするタレントからスタートし、次のステップではご希望のタレントを起用する』といった長期的なスパンで取り組んでいただくことが最善策だと考えています」(山中氏)

タレントを起用することは、企業全体では話題性や親近感を生み、施策単位ではWEB広告のCTRを上昇させるなど有効性は大きい。一方で、タレントや芸能プロダクションにとっては、契約企業の動向ひとつでイメージに悪影響が及ぶリスクがある。そこでタレントリストでは、芸能プロダクションの不安を払拭するため、広告代理店で培ってきた山中氏の知見を活かし、企業が希望する企画内容やWEB・SNSに関するリスク説明を入念に行っている。地道な取り組みにより、企業とタレント・芸能プロダクションの双方にメリットのある契約実現を実現している。

気軽にタレント起用できる未来へ

タレントキャスティングの将来展望ついて山中氏は、企業は気楽に、タレントも気取らずに関わり合える“カジュアルな関係性”を目指していくと話す。「SNSのおかげで世間とタレントの距離が縮まり、垣根はだいぶ低くなったと感じます。『タレントをさくっと起用する』社会に着実に近づいているのではないでしょうか。その実現に必要なラストピースは、企業とタレント・プロダクションがお互いの常識やビジネスモデルを理解することです」。すべての企業のメインツールとしてタレントキャスティングが確立される未来に向けて、これからもタレントリストは事業展開と普及活動に邁進していく。



芸能人・タレントの手配及び動画広告YouTube番組の制作及び漫画コミックなどの制作の際はお問い合わせください。
 
株式会社タレントリスト
URL:https://talentlist.jp/
住所:160-0022 東京都新宿区1-11-3 エクセル新宿御苑前ビル6F