・創業108年の老舗出版社を「卒業」、10年目のスタートアップに「ジョイン」した
・50代半ばで出版社からベンチャーに転職した「ガソリンおじさん」の提供価値
・メディアから企業広報に転じて3カ月「取材される側」となり思うこと
・「編集者のスキルは事業会社で活きるのか?」という、問いへの答え
・スタートアップに飛び込んだ私は、60歳までに「100万人に1人」になれるか
走りながら考える、何を?
先日、社内の若手社員に「スタートアップに入って驚いたことって何ですか」と聞かれ、「やっぱスピード感かな、何事も走りながら考えるって感じ?」と答えたところ、「走りながら考える」という表現にピンと来なかったのか、「ああ、深澤さん、マラソンされるんですもんね。走ってるときも考えてるんですね」と返され、笑ってしまった。
それはそれとして、コロナ禍ですっかり体が鈍ってしまったが、2年前までは年に何度もフルマラソンの大会に出るくらいマラソンにはまっていた。実際、4時間弱ずっと走り続けるわけで(さりげなくサブ4ランナーであることをアピールしている)、その間は確かに考えごとをすることが多い。普段、近所をジョギングするときも、締め切りが眼前に迫った原稿の構成や新しい特集企画などを、1人ぼーっと考えながら足を進めていたものだ。
もっとも、残念なことに走り終える頃にはすべてを忘れてしまうので、さすがに大会中は控えるが、良いアイデアがひらめいたら、立ち止まってボイスメモを録ることもある。
雑誌編集の仕事においては、とにかく企画をたくさん出すことが何より大事であると意識してきた。新入社員の頃、先輩社員から「何でもいいから今週中に企画を100個出せ」と言われ、最初は冗談だと思って受け流していたら、「いや、マジだよ」と叱られて途方に暮れたことがある。結局、100は思いつかなかった記憶がある。情けない体験だ。