花王はこのほど、企業広告シリーズ「もったいないを、ほっとけない。」を開始した。7月16日からテレビCMを流しているほか、Webでも動画を配信している。7月19日には新聞広告を出稿した。企業広告を契機に、社員によるリサイクル活動も強化する。施策は花王コーポレート戦略部門PR戦略センターが主導。広告会社は電通。

花王　企業広告 「もったいなインタビュー Ｔシャツさん」編

テレビCMは、Tシャツやティーカップ、風呂場のシャワーヘッドなどにインタビューし、それぞれ洗濯用洗剤や食器用洗剤、シャンプーなどの花王製品が、いかにムダを省くか、生じさせないか、という点を訴求する。くつ下はラッパー風、風呂おけはカタカナ語を濫用するビジネスパーソン風など、それぞれにキャラクターを設定し、ユーモラスに仕上げた。新聞広告では、「もったいないを、あきらめない。もったいないを、ごまかさない。目先の結果に、惑わされない。」と始まるステートメントを掲載した。

7月19日に日本経済新聞に出稿した新聞広告

原材料や燃料費の高騰による物価高などの社会環境も背景にある。夏休みもはじまり、「子どものたちが家庭の中での『もったいない』に目を向け、身近なことから行動を起こすきっかけになれば、と考えている」（花王PR戦略センター）

花王社員による社内リサイクル活動も強化する。同社では全国の拠点で、社員が家庭で用いたつめかえパックを回収してきたが、企業広告のスタートを契機により参画を促し、回収量を増やす。2021年6月、和歌山研究所に導入した、つめかえパックからつめかえパックを再生する「水平リサイクル」のための実証プラント（パイロットプラント）での技術開発にも弾みをつけたい考え。