・創業108年の老舗出版社を「卒業」、10年目のスタートアップに「ジョイン」した
・50代半ばで出版社からベンチャーに転職した「ガソリンおじさん」の提供価値
・メディアから企業広報に転じて3カ月「取材される側」となり思うこと
・「編集者のスキルは事業会社で活きるのか?」という、問いへの答え
・スタートアップに飛び込んだ私は、60歳までに「100万人に1人」になれるか
・社員にとって最大の不幸は「企業理念に共感できない」会社に勤めること
・「破り捨てたいのに絶対に破れない馬券」というアイデアのカラクリ
・取材費で飲み食いしていた私が、会社帰りに日比谷図書館へ通う理由
・会長93歳、顧問も95歳!50代の私が転職したベンチャーと戦後ソニーの共通点
・広報責任者の懇親会で少々気まずい思いをした話
取材もせず、新興勢力という「出る杭」を打つ報道姿勢
メディアは不偏不党・公平公正であるべきだといっても、あらゆる論点において書き手の価値判断は働く。その中で、既得権益側や抵抗勢力側の論理に乗っかるメディアがあるのは理解できる。既得権益側が巧みに誘導し「書かせる」こともあるだろうし、メディア側が率先して既得権者擁護と取れる主張をすることもあるのが現実だ。
ただし、私は30年以上のメディア経験において、そういう報道姿勢には与しないという思いでやってきたと
書いた。そして、メディアからTBMの広報に立場が変わり、TBMやLIMEX(TBMが開発・製造・販売する石灰石を主原料とする新素材)の過去報道を見たとき、ごく一部ではあるが、「裏」を感じる記事が見受けられるという話をした。
というのも、LIMEXはプラスチックや紙を代替する素材だ。既存市場のプレイヤーからすると、邪魔な新参者である。新しいことをやろうとするとそれに反対する勢力が必ず存在し、中にはメディアを使って批判的な論陣を張るというケースもある。
外部からの中立的な視点、忖度なしの率直な意見は、自分たちを客観視するために役立つことも多い。しかし、残念ながら支離滅裂な論旨に基づく批判もある。新興勢力という「出る杭」を打つことのみを目的としたような報道姿勢には疑問を感じる。