ブランドは「カテゴリー化」によって生まれる
では、『実務家ブランド論』発刊後の皆様からの反響を紹介しつつ、本書も理論に基づいて書かれていること、またその内容は脳の働きで説明できることについてご説明しました。後編では、具体的に解説していきます。
『実務家ブランド論』
片山義丈著
定価:1980円(本体+税10%)
認知言語学や心理学によると、「人間は、様々なモノやコトを脳の中で、分類したりまとめたりしている」とされています。この分類されたひとかたまり、分類されたグループをカテゴリーと呼ぶそうです。
たとえば、ある動物の写真を見せられたとします。どんな名前かわからないけれど、それが鳥類であることは間違いないとわかる。スズメでも鳩でもないし見たこともない動物、なのになぜか「鳥」だとは判断できます。よく考えると不思議です。
これは、頭の中に「鳥というカテゴリー」がすでにできていて「羽があって」「足が二本」「くちばしがある」ものは、「鳥のカテゴリー」のメンバーであると整理し分類するようになっているからなのです。
ブランドとは、この頭の中でのカテゴリー化によって生まれます。
カテゴリーが変われば、知名度も戦い方も変わる
「ブランドカテゴライゼーション」という、よく知られているブランドの『理論』があります。これは脳の中にできた「あるカテゴリーに含まれるメンバーの全体は、消費者による知名度、情報量や種類、態度などにより分類」されているとする『理論』です。
ブランドカテゴライゼーション
ここからは、スニーカーというカテゴリーを例にこのブランドカテゴライゼーションを説明します。ネットで調べるとスニーカー人気ランキングトップ10は以下のブランドでした(正しいかどうかは知らんけど)。
その10のブランドとは
ニューバランス(New Balance)/ナイキ(NIKE)/アディダス(adidas)/バンズ(VANS)/コンバース(CONVERSE)/リーボック(Reebok)/無印良品/ディアドラヘリテージ/プーマ(PUMA)/ラコステ(LACOSTE)
これらを以下の5つの切り口で分類していきます。
①入手可能性
まず入手可能性、つまり買いたいと思ったら買えるかどうかです。今やECサイトもありますから、この10のブランドはいつでも買えるとします。つまり、入手可能集合には10のブランドが入ります。

