実務家はまず自社ブランドが消費者の「想起集合」に入ることを目指そう

アドタイのコラムから生まれた書籍『実務家ブランド論』が発売されて1年が経ちます。実務家ならではのわかりやすく実用的な方法論に多くの賛同の声が寄せられる一方、思わぬ反響もあったようで……。本書で紹介しているブランド論の要旨を、著者の片山義丈氏がまったく別の切り口から2回にわたって紹介します。

ブランドは「カテゴリー化」によって生まれる

前編

では、『実務家ブランド論』発刊後の皆様からの反響を紹介しつつ、本書も理論に基づいて書かれていること、またその内容は脳の働きで説明できることについてご説明しました。後編では、具体的に解説していきます。

『実務家ブランド論』
片山義丈著
定価:1980円(本体+税10%)

 

認知言語学や心理学によると、「人間は、様々なモノやコトを脳の中で、分類したりまとめたりしている」とされています。この分類されたひとかたまり、分類されたグループをカテゴリーと呼ぶそうです。

たとえば、ある動物の写真を見せられたとします。どんな名前かわからないけれど、それが鳥類であることは間違いないとわかる。スズメでも鳩でもないし見たこともない動物、なのになぜか「鳥」だとは判断できます。よく考えると不思議です。

これは、頭の中に「鳥というカテゴリー」がすでにできていて「羽があって」「足が二本」「くちばしがある」ものは、「鳥のカテゴリー」のメンバーであると整理し分類するようになっているからなのです。

ブランドとは、この頭の中でのカテゴリー化によって生まれます。

カテゴリーが変われば、知名度も戦い方も変わる

「ブランドカテゴライゼーション」という、よく知られているブランドの『理論』があります。これは脳の中にできた「あるカテゴリーに含まれるメンバーの全体は、消費者による知名度、情報量や種類、態度などにより分類」されているとする『理論』です。

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片山 義丈(ダイキン工業 総務部/広告宣伝グループ長/部長)
片山 義丈(ダイキン工業 総務部/広告宣伝グループ長/部長)

1988年ダイキン工業入社、総務部宣伝課に配属。1996年広報部 広報担当、2000年広報部広告宣伝・WEB担当課長を経て2007年より現職。業界5位のダイキンのルームエアコンを一躍トップに押し上げた新ブランド「うるるとさらら」の導入や、ゆるキャラ「ぴちょんくん」ブームに携わる。現在は 統合型マーケティングコミュニケーション(IMC)による企業ブランド構築、マスとデジタルのB2C商品広告展開、広告媒体の購入、グローバルグループWEB統括を担当。日本広告学会員。

片山 義丈(ダイキン工業 総務部/広告宣伝グループ長/部長)

1988年ダイキン工業入社、総務部宣伝課に配属。1996年広報部 広報担当、2000年広報部広告宣伝・WEB担当課長を経て2007年より現職。業界5位のダイキンのルームエアコンを一躍トップに押し上げた新ブランド「うるるとさらら」の導入や、ゆるキャラ「ぴちょんくん」ブームに携わる。現在は 統合型マーケティングコミュニケーション(IMC)による企業ブランド構築、マスとデジタルのB2C商品広告展開、広告媒体の購入、グローバルグループWEB統括を担当。日本広告学会員。

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