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歴代グランプリ受賞者に聞く!宣伝会議賞の取り組み方

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9月3日に開催したオンラインキックオフイベントでは、一次審査員の原晋氏をモデレーターに、第59回グランプリの宮崎響氏と、第57回グランプリの笠間悠氏に話を聞きました。宣伝会議賞の取り組み方について、Q&A形式で紹介します。

※本記事は、月刊『宣伝会議』11月号の内容を再編集しています。

第57回グランプリ 笠間 悠氏

 

第59回グランプリ 宮崎 響氏

 

シカク
コピーライター/クリエイティブディレクター
原晋氏

 

Q.お二人は業務でも広告に携わっています。実際の仕事と「宣伝会議賞」との違いとはなんでしょうか?
笠間:実際の仕事の場合には様々な制約がありますが、「宣伝会議賞」は課題解決につながっていればどんな言い方をしてもよいし、切り口も自分で自由に広げていけるのが特徴だと思います。
宮崎:私は実務においては、どちらかというとアートディレクションが専門分野。言葉だけの勝負というのが自身の課題で…昨年は特に「ビジュアルが蛇足になるくらいの強いコピー」をと、風景を思い描けたり、そこにある音を感じられるような、五感に訴える言葉を意識しました。

Q.コピーライティングで心がけていることは?
笠間:シーンや感情のリアリティを大切にしています。それは本当のことかな?とその都度考える。もうひとつは余白。解きたくなる問題があるように、読み手が想像したり考えたくなるような、ちょうどよい余白を残すように心がけています。
宮崎:私も、背伸びしすぎていないかという視点は大事にしています。それからサービスや会社を、好きになること。信頼しているからこそ、誇張せずに表現するようにしています。

Q.取り組みやすい課題は、ライバルも多いのでは?
笠間:僕もそれは感じましたが、視点さえ被らなければよいのではないかと思っていて。どの課題にライバルが多そうかというのはあまり考えず、書きたいと思う課題から取り組むようにしていました。
宮崎:皆が取り組みやすい課題とは身近な商品がテーマであることが多い。それは審査員にとっても身近なもの。審査いただくときに、共感も得やすいのではないかと思います。また課題ごとに、「よく使われそうな言葉」はNGワードにして考えました。

Q.難解な課題はどのように考えますか?
笠間:どうすれば分かりやすくなるか、長々と言葉を使わずに伝えられるかを考えます。
宮崎:「なるほど!」と心が変わる瞬間の言葉が、コピーになりやすいなと。だからまず、何が分からないかを書き出してみます。その企業が一番大切にしていることの源流を探るため、例えば、社長がインタビューに答えているメディアの記事を読んでみたりします。

Q.応募者の皆さんにひと言お願いします。
笠間:コピーと向き合う中で、自分の中で大切にしていることが見えてくる。もちろんグランプリを狙いながらも、その過程も大事にしてください。
宮崎:いろいろな課題に取り組むことで、終わった後に成長した自分が必ずいると思います。長丁場なのでしっかり睡眠もとって、仕事とのバランスを取りながら無理せず取り組んでください。

<参加者からの質問>
Q.コピーの企画意図はどこまで細かく書きましたか?
笠間:同じ課題は同じ企画意図で書くことも。でも今回の課題を見ると「企画意図も重視します」というコメントもあるようなので、そこはきちんと考えて書いた方が良いかなと思います。
宮崎:私はコピーごとに変えました。書く段階で、企画意図の方がコピーっぽくなったり。次のコピーにつながることもありました。

Q.同じようなフレーズが思い浮かんだときは、両方提出しますか?
笠間:なるべくひとつに絞って出すようにしていました。
宮崎:私も同じで、同じ切り口や特徴的な言葉を複数出すと、両方通らない可能性があるかなと思っていて…基本的には出さないです。

Q.絵コンテ・字コンテには応募しましたか?
笠間:キャッチフレーズだけで評価されて、フィードバックがあるのが面白いなと思っていたので、僕はキャッチフレーズだけでした。
宮崎:コピーにしては長すぎるな…というものや、何か良い「振り」が思いついたものはCMにすることもありましたが、そこまで本数は多くないですね。

<原さんより>
お二人からは、応募者の方たちがこの時期、どういう風に課題に臨めばよいのかを改めて確かめることにつながるお話が聞けたと思います。また、課題への取り組みを通じて仕事にもつながるようなプロセスを踏まれているのだなと感じました。「宣伝会議賞」はせっかく誰もが応募できる公募の場。ヒットではなくホームランを狙うことで、何十万という応募作の海を渡れる一本になるのではないかと思います。

第60回「宣伝会議賞」特設サイトはこちら