【前回コラム】全店員が全ジャンルを把握 本とお客さまをつなぐ案内人に/リブロ汐留シオサイト店
限られた売り場でジャンルの垣根を超えた棚づくりを目指す
——主な客層と売れるジャンルを教えてください。
当店は家電と書籍を中心に、生活提案を行う店舗として2015年に誕生しました。周囲には住宅地が広がっており、子育て世代や若年層の来店が多くみられます。近くに複数のオフィスがあることから、ビジネスマンの方も多く来店されています。そのため、児童書とビジネス書がよく売れるジャンルとなっており、暮らしとビジネスの両要素を持つ街の特徴が出ていると思います。
店舗全体にデザイン性の高い家具や雑貨を配置していることもあり、クリエイティブな発想につながるインスピレーションを求めて来店している方が多いように見受けられます。ワークスタイルのカテゴリーでいうと、発想術や時間術に関する書籍は人気が集まっていますね。昨今の働き方の変化に合わせて、課題を感じている方々が手に取っているという印象です。
——店舗が賑わう時間帯はありますか。
カフェが併設されていることもあり、12時ごろから15時に来店者数が多くなる傾向にあります。平日は近隣のオフィスからの来店が多く、ビジネス書エリアは1日中賑わっていることが多いですね。
——二子玉川 蔦屋家電ならではの特徴や、他店との差別化を図っている点は。
当店には各ジャンルの専門知識に精通したコンシェルジュがいます。コンシェルジュは売り場を編集するキュレーターであり、暮らしのアドバイザーとしての役割を持っていることが特徴です。
また店舗の特徴として、家電や雑貨の販売スペースも多く、全てのスペースを書籍に使用できるわけではありません。その分、コンシェルジュとして売り場から一人ひとりのお客さまに寄り添った一冊の提案を行いたいと思っています。棚をつくる際には、常にお客さまの悩みや課題を解決できるように心がけています。
——店舗で力を入れている部分を教えてください。
お客さまが居心地良く過ごせる書店となれるよう努めています。実は店舗のデザインを手がけている池貝知子氏は個人の邸宅なども設計しているため、自宅にいるかのような居心地の良さを提供できるよう意識して設計されています。他にも空間設計の点から、照明は日中や日没などのシーンをつくり出し、夕方から夜にかけては店内が暗くなるように設定しています。また、棚に植物を多く配置することでリラックスできる感覚をもたらし、クリエイティブな発想につなげてほしいという思いを込めています。



