CMプランナー時代の到来、新しい才能との出会いに活路を見出す

【前回はこちら】

佐藤雅彦の登場は「ディレクターの時代からの転換」を意味した

前回のコラムについて、誤解を招きかねない表現がありましたので少し補足したいと思います。

1980年代まで、CMづくりはCMディレクター、つまり監督による原作・脚本・演出という形が目立っていました。したがって人気CMは「誰がディレクターなのか?」という点が注目されていました。

それが90年代に入り「CMプランナー×CMディレクター」というコラボレーションの形、あるいは「アートディレクター×CMディレクター」というコラボレーションの形によって多くの人気CMが生まれるようになって、CMディレクターだけではなく、CMプランナーやアートディレクターの活躍が目立つようになりました。

そのきっかけとなる象徴的な存在として佐藤雅彦さんを取り上げさせていただきました。その後、佐藤さんをはじめとして多くのCMプランナーたちが才能あるCMディレクターとタッグを組み、お互いに信頼関係を築きながら多くの素晴らしいCMが生み出されていきました。これはCMにとっては幸せな進化でした。このことをあらためてお伝えしたいと思います。

クリエイターだと思ってた僕が技術担当?

さて、本題に入ります。

僕は河内義忠プロデューサーに連れられ、「♪スコーンスコーン湖池屋スコーン♪」「♪ポリンキーポリンキー」などの大ヒットCMを連発していた佐藤雅彦さんにお会いしたところまでを

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なかじましんや(CMディレクター)
なかじましんや(CMディレクター)

1959年福岡県生まれ。1982年武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科卒業後、東北新社入社。83年CMディレクターとしてデビュー。主な仕事に、日清食品カップヌードル、ホンダステップワゴン、サントリーDAKARA/燃焼系アミノ式/伊右衛門、リクルートAirPAY/AirWORK、積水ハウス 企業CMなど。「カンヌ国際広告祭(現カンヌライオンズ)」グランプリ、「米IBA」最高賞など受賞多数。一方で東北新社の取締役、専務、副社長、社長を歴任したのち、2022年6月に退任。現職は顧問/エグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクター。東北新社のクリエイティブユニット「OND°(オンド)」を窓口に、CMディレクターとして活躍中。現在は東北新社グループ以外の制作会社の案件も受けられる体制を整えている。後進の育成にも力を入れており、宣伝会議のコピーライター養成講座やCMプランニング講座等で講師を務めている。東京ADC会員、武蔵野美術大学客員教授。

なかじましんや(CMディレクター)

1959年福岡県生まれ。1982年武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科卒業後、東北新社入社。83年CMディレクターとしてデビュー。主な仕事に、日清食品カップヌードル、ホンダステップワゴン、サントリーDAKARA/燃焼系アミノ式/伊右衛門、リクルートAirPAY/AirWORK、積水ハウス 企業CMなど。「カンヌ国際広告祭(現カンヌライオンズ)」グランプリ、「米IBA」最高賞など受賞多数。一方で東北新社の取締役、専務、副社長、社長を歴任したのち、2022年6月に退任。現職は顧問/エグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクター。東北新社のクリエイティブユニット「OND°(オンド)」を窓口に、CMディレクターとして活躍中。現在は東北新社グループ以外の制作会社の案件も受けられる体制を整えている。後進の育成にも力を入れており、宣伝会議のコピーライター養成講座やCMプランニング講座等で講師を務めている。東京ADC会員、武蔵野美術大学客員教授。

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