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コラム

澤本・権八のすぐに終わりますから。アドタイ出張所

今の夢は「いつかお笑いの劇場を持つこと」(ダウ90000・蓮見翔)【後編】

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【前回コラム】セリフは「みんなのイメージ」のままで言うのがちょうど良い(ダウ90000・蓮見翔)【前編】

今週のゲストは、先週に引き続き「ダウ90000」の蓮見翔さん。今回は、その意外すぎるユニット名の由来から、メンバーとの関係性、現在のスタイルに至るまでの道のりを語ってくれました。

今回の登場人物紹介

※本記事は2022年10月16日放送分の内容をダイジェスト収録したものです。

説明できない名前が良かった

中村:改めまして。絶賛・大ネクストブレイク中の「ダウ90000」の蓮見翔さんにお越しいただいています。そもそもの結成のきっかけとか、なんでこのユニット名にしたのかについて聞きたいんですけれども。

蓮見:元々は誘ってくれた友だちと、ふたりで大学のサークルをひとつつくったんです。メンバーの園田(祥太)だけが同期で、後はそこに入ってきた後輩たちです。僕が大学2年になった4月に、上原(佑太)とか飯原(僚也)といった1歳年下の男たちが入ってきました。それからは、ずっと一緒に、大学4年になるまでやっていましたね。

その後僕が先に卒業して、社会人1年目の歳になったんですが、特に就職せず。メンバーもみんな映画学科の演技コースだったので、元々それほど就職するつもりがない人たちが多かったんです。

中村:あ、そっか。元々、「日芸」(日本大学芸術学部)の映画学科の演劇コースだから。

蓮見:そうですね。みんな「役者になろう」と思って入ってきているので、就職する気がないことがなんとなくわかっていて。僕も大学でこんなに一緒にやったのに、「じゃあ、あとは頑張ってね!」って就職してしまうのは、なんかちょっとイヤだなと。

僕は脚本を書きたいと思っていたし、みんなと一緒にやっていた方がいいだろうな、と思って。でその当時、僕はコンビで漫才もやっていたんですね。その単独ライブをやる予定だったんですけど、コロナ禍でダメになっちゃって。そこで、さすがに「ヤバい!これじゃ何にもしてないな」と思って。やるならちゃんとやらなきゃと思い、その時のサークルのメンバーを集めました。

中村:その時までにちゃんとお客さんがついていたり、「ブレイクしそうだぞ」みたいな雰囲気はあったんですか?

蓮見:いや、まったくなかったですね。「大学のサークル」というだけでした。別に人気があったわけでもないし。

中村:じゃあ、もう「ホントにこれからどうするんだ?」と。

蓮見:はい。全員がその状態で。僕はこれで食っていきたいので、とりあえず全員がバイトをやめるまでは絶対にやめないし、絶対に食わせるまでは続けるから、就職する予定がない人だけ残ってくださいって。それで、残ったメンバーと一緒にやりましょうと。じゃあ、名前はどうしようかとなった時に、僕はもう「ダウ90000」だな、と思っていました。

中村:ほう!

蓮見:でも、その名前にちゃんとした理由がなくて。「劇団〇〇」って付けたくなかったんですよね。語尾が数字の方が、なんとなくグループ名っぽく聞こえるかな、とぼんやり思っていただけで。

中村:なるほど、なるほど。

蓮見:頭は語呂的に2文字がいいな、と。あとはコンビ名に“アツい由来”があると思われたくないな、と思ったので。「説明できないのがいい」というのが自分の中で転がって。「ダウ」って経済周りの言葉だから、あんまり詳しい人はいないだろうな、と。それなら、あんまり会話が転がらないで済むぞ、と思ってつけたんですけど。結果として今、すごい説明して回っているんですよ。

澤本・中村:あはははは!

中村:経済メディアの「ダウ・ジョーンズ」とどういう関係が? とかね(笑)。

蓮見:あはははは! なんか、いろいろ聞かれちゃうんですけど。でも、一応みんなで決めた名前なんですよ。そこから始まって、毎月コントライブをしていたらちょっとずつ声をかけてもらえるようになって。そして、今に至る感じですね。

澤本:でも、「ダウ」って名前、いいよね。

蓮見:あ、ホントですか?

澤本:いいです、いいです。商品名とかって濁音がついている方が耳当たりが強いんですって。

蓮見:そうなんですか?

澤本:うん。濁音がついていないよりは、濁音がついている方がアテンションが強い、と。あとは、促音のちっちゃい「っ」とかがあると覚えやすい。僕らは広告をやっているので、先輩格の人がそう言っているのを聞いて、「ああ~!」と思って。

蓮見:あ〜、じゃあ、よかった!

ずっと仲が良いのは8人組だから?

中村:「ダウ9000」は、始めから同じスタイルで続いているんですか? 最初はもっと演劇をやっていた、とかは?

蓮見:一発目がコントライブだったので、コントからですね。最初は芝居小屋を押さえたんですど、やっぱり演劇は時間がかかるので。演劇をできるようになるまでお客さんを増やそう、と思ってコントライブを始めた、みたいな感じですかね。一応同時並行でやっていたつもりなんですけど、先にコントで注目していただきました。

「テアトロコント」という渋谷のユーロライブのイベントがあるんですけど、最初はそのライブで声をかけていただいて。その時に、いとうせいこうさんに見ていただいたこともあって、そこからだいぶ変わっていきましたね。入り口はコントですけど、やっている内容はその当時からあんまり変わっていないですね。

中村:なるほど。その後、その8人の仲はどうでうすか?

蓮見:仲はずっといいですね。コンビの人の話を聞くと、8人ってやっぱりモメにくいんだろうな、って思いますね。

澤本:モメにくい!?

蓮見:やっぱり、1対1の人たちに比べると逃げ道がいっぱいあるというか(笑)。

澤本:「おぼん・こぼん」さんとか?

蓮見:ああ~!(笑)。それは最たるものかもしれないですけど(笑)。やっぱり、話し合いをしても1対1だとぶつかり合っちゃうと思うんですね。僕らの場合は、僕が100書いているっていうことで、パワーバランスもわかりやすいですし。その上、お笑いへの意見がある人たちでもないので。あんまりそこに文句を言われることもないので、かなりうまいこと回っていますね。

仲はずっといいままで、ホントによかったな、と思いますね。8人組がもうちょっと流行ってもいいのにな、って。もっと大所帯でも、全然やっていける気がするんですけどね。

澤本:うーん、そうなんだ。

蓮見:よく「難しいことをやってるね」って言われるんですけど。確かに、8人組のコントを3分で、とか言われると超難しいですけど。それ以外は、ストレスなくやれていますね。

中村:誰と誰が仲悪いとか、何か事件があったとか。そういう内紛的なことは?(笑)。

蓮見:いや、まったくなくて、毎回それを聞かれても返答できないのが一番の悩みですね(笑)。本当にないんですよ。でも大学のサークル時代は、一応ルールがちょっとありました。こういうことはめんどくさいからやめてくれ、って。今も、基本的にはそれをなんとなく守っている感じですね。でも長いやつは6年ぐらい一緒にいるので、今更そんなことにはならない、というか。

セリフが飛んだ時のリカバリーは全員で

中村:なるほど。でも毎月コントライブをやっていると、意外と細かいミスがあったりするんじゃないですか?

蓮見:あります、あります! これは僕が悪いんですけど、当日のお昼に新ネタを渡したりすることがあって。

中村:ええ~!? それイヤだ~(笑)。

蓮見:あはははは! 最近も時々あるんですけど、そうなった時にスッと覚えられる人と、なかなか覚えにくい人がいて。舞台上で、入りの一言目を飛ばして「あ、コイツ、終わるまで使い物になんねえぞ」みたいな顔をしている時があるんですよ(笑)。

澤本・中村:(笑)。

蓮見:もう、絶対にひと言も喋らないじゃん、コレ! みたいな(笑)。でもなんか喋らなきゃ、ってことで、ずっと「なんでよ!」って言ってるみたいな。

澤本・中村:あはははは!

蓮見:どうしよう!? みたいになって(笑)。で、7人でフル回転して。そうはいっても、僕らも当日覚えているから、そんなにはリカバリーできないんですけどね。なんとかそいつのセリフを他の人が言うとか。もう、「うん」って言うだけの状態にして。

中村:あはははは!

蓮見:そんな状態で、なんとか終わらせる、みたいなことがチョコチョコあります、最近。

中村:はあ~、凄い!

蓮見:いや、怖いですね、やっぱり。8人もいるとリカバリーも譲り合いになるというか。「これ誰が助けるんだ?」「でも、俺は次ツッコむから助けられないよ?」みたいなことを、バーッとアイコンタクト取り合ったりして。

中村:ああ~!

蓮見:でも、ツッコミの間が悪いみたいに見えているみたいで。僕が下手、みたいになるんですよ。

澤本・中村:あはははは!

”締め切り”という「銃口」

澤本:台本は毎日書いているんですか?

蓮見:毎日書くようにしましたね、どこかのタイミングで。一日書かないと、どんどん書けなくなっていっちゃう気がするので。ちょっとセリフを起こしておく、とかの場合もあるんですけど、何かしらは書くようにしてます。

澤本:それは、時間を決めてやっているとか、そういうことではなくて?

蓮見:何か書くものがある時は、1時~4時で書くようにはしていて。

澤本:え、昼の?

蓮見:早朝の、ですね。

澤本:ええ~!?

蓮見:その時間に絶対書くようにしていて。何も書くことがない時は、お昼にカフェとか行って。何かしら「これは面白い」と思えるものを書きますね、1行でもいいんですけど。それが出るまではやる、というのはなんとなく決めています。

澤本:1時~4時って3時間じゃないですか?「3時間で書き切る」と、決めてやっているんですか?

蓮見:最近はそうですね。死にたくないんで、若い時にいっぱい寝ておこうと思って。

澤本:はいはい。

蓮見:とにかくいろんな人から聞くんですよ。「とにかく、寝といた方がいいよ」と。だから絶対に3時間以内で書いて、少しでも睡眠時間をとるようにしているんです。どうしても締切がある日は起きて昼間に書いたりしますが、ふだんは4以降は越えないようにしています。

澤本:じゃあ、一日ずっと書いたりはあんまりしない、と。

蓮見:はい、あんまりないですね。締め切りの当日でも、昼間はゴロゴロしていることが多いですね。集中してギュッと書いたほうがいいな、と。僕は集中力があまりない方だと思います。澤本さんは、書くきっかけは何にされてます?「とにかく、机の前に座る」ということですか?

澤本:いや~、僕はとにかく言い訳ばかりつくるわけですよ。やらない言い訳ばっか。基本的に、逃避するクセがあるので。

蓮見:あ、そうですか。

澤本:今日は家に帰って机の前で仕事をしよう、と思って座ると、なんか座布団の位置がよくねぇな、とか思って(笑)。

蓮見:はっはっはっは!

澤本:座布団を変えたりして。そうこうしている間に「今日は寝よう」と思って寝ちゃって。もう、そんなのばっかですよ。

蓮見:「誰への言い訳なのよ?」って自分で言いながら(笑)。

澤本:そうなのよ、結局は自分を追い詰めてるんですよ。でも、とにかく後ろから銃口を突きつけられないと、やれないのよ。

蓮見・中村:あはははは!

澤本:「もう、待てねえぞ」と。だから、脅迫されている状態が一番パフォーマンスが高いんですよ。

中村:へえ~!

「死ぬまでに、あと何本書けるのだろう?」

澤本:銃口がゆるいと、「もうちょっアイデアが出るまで待とう」みたいになって、どんどん先になっちゃうのよ。でも、月日が経つのは結構早くてさ。だから僕は、だんだん死ぬ時から逆算し始めていて。死ぬ時の年齢について考えたら、例えばアントニオ猪木さんが亡くなったのが79歳だと。

蓮見・中村:はい。

澤本:猪木って、凄い年上だと思っていたけど、今考えたらそんなに上じゃねえな、と思ったりして。

蓮見:(笑)。

澤本:待てよ、猪木が引退したのが55歳だろ。ヤバい、プロレスだったらもう引退じゃん! とか思ってさ。もう、自分の脳が活性化している時間が少ないと思った時に、銃口を突きつけているのは「寿命」っていう状態だね(笑)。

蓮見:ああ~!「死ぬまでに、あと何本書くんだろう?」みたいな。

澤本:そう。死ぬまでといっても、後半なんかどうせ使い物にならないから。

蓮見:たぶん、書かないですよね、残りの何年かは。

澤本:うんうん。それに書いたものだって絶対に評価されないよ。だって、70歳のおじいさんが「花束みたいな恋をした」って書いても全然共感しない、みたいな(笑)。

蓮見:あはははは!

澤本:そうすると、突きつけるものが自分しかなくて。ゆるいんですよ、銃口が。

蓮見:はあ~!!

中村:蓮見さんは、その辺は大丈夫なんですか? 割と銃口がなくても書ける?

蓮見:演劇は、本番が動かせないから、もしかしたらそれが銃口なのかもしれないですね。それに今いただいているお仕事も、まだまだ若手で頑張っていかなきゃいけないタイミングだから、締め切りを落とすわけにもいかない……。ま、さすがにちょっと延ばしたりしていますけど(笑)。でも、僕には結構わかりやすい締め切りがあるのかもしれないですね、立場的にも。

澤本:はいはいはい。

蓮見:でも、そうしないと書けないんですよ、僕も。

中村:まあ、そうですよね。

蓮見:なんにもない時に、「早めにできました!」みたいなことは一回もないですね。

「ラーメンズ」「さまぁ~ず」が大好き!

澤本:色々やっていらっしゃるけど、影響を受けた人や作品って、舞台とか映画で何かありますか?

蓮見:演劇畑は通っていないんですけど、「ラーメンズ」さんがめちゃくちゃ好きで。中学生の時に塾の先生に教えてもらったんです。

澤本:うんうん。

蓮見:それでTSUTAYAでDVDを借りて、全部見て。「なんだ、この人たち!?」って。ラーメンズさんの芸風って、オシャレとか言われたりするんですけど、僕にとってはただただ面白かったんですよね。

でもお笑いはそもそも、さまぁ~ずさんがめっちゃ好きで。『モヤモヤさまぁ~ず』(テレビ東京)が地元の花小金井(東京・小平)に来ていて。そういう番組って、地元に来ていると見るじゃないですか?(笑)。それを見て「めっちゃ面白い人たちだな」って思って、そこからお笑いが好きになって。さまぁ~ずさんの単独公演も見るようになったので、お笑い的にはかなりいい教育を受けているんですよ。それが、長尺のコントへの憧れにつながっているのかもしれないですけど。

澤本:なるほど!

蓮見:2006年に、『M-1グランプリ』でチュートリアルさんが優勝したのを初めてリアルタイムで見たんですけど、その時は小学生で。でも、チュートリアルさんのネタって、小学生が見るにはちょっとむずかしいじゃないですか? だから、なんでウケているのか、あんまりわからなかったんですよ。  

澤本:はいはい。

蓮見:でも自分も雰囲気で笑っていたし、なにより親がめっちゃ笑ってたのが嬉しくて。それを見て、「なんでこんなに笑っているんだろう?」とお笑いにどんどんのめり込んでいった矢先に、ラーメンズさんに出会ったんですね。そして、「ああ、これはなんか凄いものなんだな」と思って、自分も書けるようになりたいな、と思って書き始めたのが最初ですね。

澤本:へえ~!じゃあ、ホントにお笑いから入ってきて。

蓮見:完全にお笑いからですね。

澤本:映画とか演劇とかいうよりは、そっちなんですね。

蓮見:映画は、僕が映画学科に入ろうと思った時に、「じゃあ、見なきゃ」と思って見たものなので、自然に出会ったものではないですね。

澤本:でも、「脚本を書きたい」と思って入られたんですよね?

蓮見:そもそもは、芸人になりたかったけど、当時バラエティ番組を全部見ていたんですね。『イロモネア』(TBS系列)がめっちゃ好きだったんですけど、あれってかなり即興性が試される番組じゃないですか?

澤本:はいはい。

蓮見:チャレンジ以外で、「スタート」と「ストップ」をコールをするくだりがあるんですけど、そこで芸人さんがボケるんですよ。で僕にはこれは出来ないな、って。こんなにパッとは思い付けないやと思って芸人さんは諦めたんですが、何かものを書く仕事はしたいな、と思って。じゃあ、映画の脚本を勉強したら、なんでも出来るようになるんじゃないかな、と。ホントにぼんやりとした考えなんですけど、それで選んだんですね。だから、映画の脚本を書きたくて行ったわけでもないんですよ。

澤本:そうなんだ。それでも「映画学科」なんですよね?

蓮見:何故かそうでしたね。演劇学科よりは映画学科を選びました。なんでかはあんまり……。あ! 映画学科の方が倍率が高かったんだ。だから、これで落ちたら諦めるだろうな、と思って、そっちにした感じでしたね。

澤本:なるほどね~。

中村:いや、そう言われると、めちゃくちゃ「ラーメンズ」を感じますね。

蓮見:あはははは! それは結構言われるんですけど、まっすぐに嬉しいですね。ただのファンなのかもしれないです(笑)。

ゆくゆくは、自分の劇場がほしい

中村:そんな「ダウ90000」は、毎月のコントライブや、公演、ドラマも目白押しですが、今の蓮見さんの個人的な目標はなんですか?

蓮見:「ダウ90000」をつくった時にやりたいなと思っていたことは、かなりのペースで叶えさせていただいて、ホントにありがたいと思っています。ただ最近、ゆくゆくは自分の劇場があったら楽しいな、と思うようになりましたね。

澤本・中村:おお~!

蓮見:以前、「回転寿司の話をやりたい」と思ったことがあって。そうなったら、回転寿司屋でやりたいなと。でも、本当の回転寿司屋だと見づらいじゃないですか?でも、レーンとテーブル席はほしいよな、となった時に、“自分の箱”がないとなかなか難しいぞ、と。座席から組むタイプの小屋じゃないと、真ん中を劇場にできないですしね。でも、実際に流れるレーンはつくりたい。そうすると、寿司の代わりに面白いものが流れてきた時に、レーンに沿って笑い声が起こるじゃないですか?

中村:はいはい。視界に入ってきた時に、ですね。

蓮見:はい。順番に笑っていくじゃないですか。そしたら、後半の人は楽しみでしょうがないと思うんですよ、「なんで笑っているんだろうと?」と。で、来た時に「あ、これか!」となりますよね。これは、その場でしか起こり得ない現象なので、そういうことをいずれやってみたいなと。そう思ったら「じゃあ、自分の劇場があった方が良いな」と。

あとはライブを主催して、ゲストに僕が面白いなと思う人に出ていただくのが好きなんですね。自分だけの劇場がひとつあったら、そこに出る人を全部自分で決められる。これだけ劇場があるんだから、そういう劇場が一個あっても許してよ、って。これからもっと頑張って、僕が選んだ人たちに出ていただくライブをする。それが一番上にある目標ですね。それがやれたら、たぶんもう上がりですね(笑)。

澤本:素晴らしい。そういう劇場をつくるとしたら、人数は何人ぐらいがいいですか?今、「新宿シアタートップス」でやっているのがちょうどいいじゃないですか?

蓮見:そうですね。

澤本:動員人数だけでいえばもっと大きくできますよね。

蓮見:はい。もうちょっとできますね。

澤本:そうやってどんどん大きくなった時、たぶん、面白いものの質がちょっとずつ違ってくるんじゃないかと思うんですよ。

蓮見:そうなんです。自分らの公演でいうと……。これは僕らが悪いんですけど、声がちっちゃいんですよ。

澤本・中村:あはははは!

蓮見:ただ、声をでかくすればいいんですけど(笑)。シアタートップスだと現状、200人ぐらいは収容できるんですね。だけど、ウケた時のボカン! が気持ちいいのは、やっぱり人数が多い方。演劇の劇場というよりは、お笑いとかコメディの劇場にしたいので。そうなると、今は350人ぐらいの客席数がいいんじゃないかな、と思ってますね。なおかつ、舞台の奥行きはあまり出したくない。

澤本:ああ~、なるほど!

蓮見:やっぱり、芸人さんは奥行きを使うのが難しいと思うんですよね。漫才師だと、どれだけ広くてもカッコよく見えるんですよ。広ければ広いほど、ふたりだけでガッツリやっているという見え方をするんですけど、コント師の場合は、それがなかなか難しいので、適したサイズにしたいな、と。下北沢の「本多劇場」はすごくいい小屋だと芸人さんも劇団員も言うので、そういうつくりにしたいな、と思いますね。

中村:ありがとうございます。というわけで、名残惜しいですが、そろそろお別れの時間が近づいてきております。あらためて、蓮見さんの今後のご予定を。

蓮見:ありがとうございます。今は、4回目の公演『いちおう捨てるけどとっておく』を新宿シアタートップスで10月19日までやっています(既に終了)。これを聞いている方は後日配信が出るので、それをぜひ見ていただけたらな、と思います。

あとは5分×15本のショートドラマをやらせていただいていまして。『今日、ドイツ村は光らない』(日本テレビ)というタイトルでHuluで独占配信中。あとは、TOKYO FM(系列34局)で毎週水曜日の深夜2時から4時まで、紗倉まなさんと『Audee CONNECT』をやらせていただいています。

また最近は週に3回ほどYouTubeにいろいろと載せているので、ぜひ「ダウ90000」で調べて見ていただけたら、と思います。

澤本:このショートドラマは、なんでドイツ村なんですか?

蓮見:これは、僕が「こういう設定でやりたい」となった時に、「じゃあ、ドイツ村でやりましょう」となったんですね。それで、ドイツ村で書くならドイツ村の話にしたいです、となって。本編も結構ドイツ村としてやっているんですけど。

澤本:いや~、タイトルいいな、と思って(笑)。

蓮見:ありがたいですね~!(笑)。

澤本:楽しみにしています。

蓮見:はい!見ていただきたいです。

中村:はい。というわけで、今夜のゲストは「ダウ90000」の蓮見翔さんでした。ありがとうございました~!

蓮見:ありがとうございました!

〈END〉