漫画家・原哲夫氏がサムライ姿の堺雅人を描き下ろし、サムライマックのアニメCM

マクドナルドは、2023年1月4日に期間限定で発売したサムライマック「和風バーベキュー たまご肉厚ビーフ」「にんにく ザク切りポテト肉厚ビーフ」のプロモーションとして、2022年12月27日から新CM「絶巓(ぜってん)の侍」篇を開始。1月1日に日本経済新聞と朝日新聞に新聞広告を出稿した。

CMは、T. Rexの名曲『20th Century Boy』のギターのフレーズから始まる。険しい岩山を登っていくのは、本ブランドキャラクターの堺雅人さん。「大人の挑戦は大変だ。でも、やるんだ。」と、頂上をめざす。そして、たどりついた頂上からは、太陽の下、世界が広がっていた。それを見た堺さんは「いつの日かあきらめずにたどりついたその場所は、きっと最高の景色だから」と語り、「大人を、楽しめ」と叫ぶのだった。

サムライマック「絶巓の侍」篇

2022年の新年に、船で大海原を突き進むサムライ姿で登場した堺さんだが、今回は『北斗の拳』で知られる漫画家・原哲夫氏が描いたキャラクターとして登場した。

「マクドナルドの2023年初のプロモーションということもあり、これまでよりもさらにジャンプアップした、力強い表現を求められました。そこでクライアントさんと議論を重ねるなかで、堺雅人さんという、誰もが知る俳優をあえてイラスト化して描いてみてはどうかという話になりました」と、クリエイティブディレクター 篠原誠氏。

イラスト化にあたっては、「大人世代誰もが知っていて、一目で誰が描いたかわかる作家性があり、大人を鼓舞する力強い絵が描ける漫画家」を検討。そこで依頼したのが、2023年9月13日に40周年を迎える『北斗の拳』の漫画家・原哲夫氏だった。

実現は難しいかもしれないと思いながらも依頼をしてみたところ、原氏は快諾。サムライ姿の堺さんの写真を原氏に送り、キャラクター絵のラフ画が描き起こされた。

「堺さんの表情をとらえながらも、パワフルな原先生の漫画の世界観に落とし込まれた画が届いたときの、あの感動をチームもクライアントさんも忘れることができません。この画1枚で、見た人の心をこんなに動かすとは…。これまで世界中のファンの心を動かしてきた、漫画家・原哲夫先生のすごさを体感しました。絵が上手いという次元を超えて、イラスト自体に情熱・熱量がこもっていて、それが見る人の心を突き動かす。まさに大人の背中を押す、サムライマックのコンセプトにふさわしい画だと思いました」と、CMプランナー 大石タケシ氏。

原哲夫氏が描いたサムライ姿の堺さんの原画。©原哲夫/コアミックス

「画で表現するにあたり、表情だけではなく、肉体もリアルな堺さんの等身にするか、より原哲夫先生らしいデフォルメした力強い肉体に昇華させるか、原先生と検討させていただきました。最初はリアルに近い等身で描いていただいていたのですが、原先生の絵が乗り、堺さんのキャラは生かしながらも先生の世界観に調和されていく中で、パワフルにデフォルメされたサムライ堺さんの絵になりました」(アートディレクター 古川朋亮氏)

原氏は制作にあたり、「基本的に似顔絵ではなく自分の漫画の世界観に落とし込んで、でも堺さんのキャラは滲み出るようデフォルメしながら調和をはかっていく、そんな絵を作りたいと思いながら試行錯誤しました」と話している。

超多忙な原氏に奇跡的に原画を描いてもらえることになったものの、CMローンチ日である12月30日までの時間は限られている。それを60秒の動画CMとしてどうつくりあげるかが、サムライマックのクリエイティブチームにとって大きな壁となった。

「アニメーターに入ってもらって、アニメーションで動かすには時間が足りなさすぎる。当初、原先生に上げていただいた原画を、CGで動かす静止画主体のCMにするしかないと考えていました。でも、それでは60秒の尺はもたせられないし、やはり原先生に描いていただいた、このサムライ堺さんがアニメになって動き出すところが見たい。なんとかアニメで描く方法はないかと、太陽企画のプロデューサーチームに相談しました」

CMディレクターとしてアサインされたのは、STUDIO 4°C出身でアニメーションを得意とし、原哲夫先生の大ファンでもある安田大地監督。崖を登るサムライという60秒のCMの企画コンテを、安田監督がアニメとして魅力的にみせる演出コンテへと昇華させた。

同時に、劇場版『真救世主伝説 北斗の拳』の制作を手がけたアニメ制作会社トムス・エンタテイメントの溝上猛プロデューサーもチームに参加し、原氏の原画をアニメに描き起こせる作画監督の久恒直樹氏に依頼。こうして、原氏の原画をアニメーションに起こせる制作チームが奇跡的に生まれ、残り2ヶ月、年末に向けて全力でのアニメ制作が動き出したという。

CMタイトルである「絶巓(ぜってん)の侍」は、これまでの原氏の漫画『北斗の拳』『花の慶次―雲のかなたに―』を参考に、大石氏が考案したもの。「絶巓」は、山の絶頂・いただきを意味する。

今回、アニメーション動画では、堺さんの表情の特徴を表現するための工夫がなされている。まず映像のナレーションを録音すると同時に、堺さんがセリフに合わせて叫ぶ表情も撮影。そのとき映像に収めた堺さんの表情をもとに、アニメーションの絵を描いているのだ。それにより原画だけではなく、アニメ上でも堺さんの表情の特徴をとらえることに成功した。

ナレーションを吹き込んでいる堺さん。

2023年正月に、同社としては珍しい商品広告を新聞に出稿した。新聞広告は原氏が描いたサムライ姿の堺さんが叫ぶ表情を15段全面に使用、サムライマックのキーメッセージ「大人を、楽しめ」を筆文字でシンプルに入れたデザインだが、原氏の原画ならではの力強さを存分に発揮している。

ローンチ後、迫力のあるアニメーション、そして和のテイストで構成された、力強い新聞広告のビジュアルが話題に。CMは堺さんがナレーションを吹き込む様子などがワイドショーで数多く取り上げられ、SNSでは「迫力がすごい!」「カッコよすぎる!」と多くの反響があったという。その結果、商品発売初日の売り上げが、目標を大きく超える結果を達成している。

1月1日に出稿した新聞広告。©原哲夫/コアミックス

崖を登る堺さんの原画を使った店頭の懸垂幕ポスター

スタッフリスト

企画制作
電通+ビーコンコミュニケーションズ+篠原誠事務所+太陽企画
CD
篠原誠
企画+C
大石タケシ
AD
古川朋亮
AE
京極純平、高崎祥子
CPr
宮崎剛
Pr
藤江一成、草柳正太、蝦名優里耶
PM
永松春菜、首藤光陽
監督
安田大地
撮影
内川聡
照明
鈴木康之
クッキング
左近充英子
仕掛け
福田典子
MIX
綾城重理人
編集(オフライン)
安田大地、小須田一樹
編集(オンライン)
関創
出演
堺雅人

 

  アニメーション

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溝上猛
演出
ふくだのりゆき
作画監督
久恒直樹
色彩設計
海鋒重信
美術監督
加藤浩
撮影監督
峰岸健太郎

ECD:エグゼクティブクリエイティブディレクター/CD:クリエイティブディレクター/AD:アートディレクター/企画:プランナー/C:コピーライター/STPL:ストラテジックプランナー/D:デザイナー/I:イラストレーター/CPr:クリエイティブプロデューサー/Pr:プロデューサー/PM:プロダクションマネージャー/演出:ディレクター/TD:テクニカルディレクター/PGR:プログラマー/FE:フロントエンドエンジニア/SE:音響効果/ST:スタイリスト/HM:ヘアメイク/CRD:コーディネーター/CAS:キャスティング/AE:アカウントエグゼクティブ(営業)/NA:ナレーター


 

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