ラスベガスの球体サイネージSphereにIBM出稿、生成AIで「信頼」表現

アメリカ・ラスベガスで3月26日から28日(現地時間)の3日間、アドビが主催する年に一度のデジタルエクスペリエンスのカンファレンス「Adobe Summit 2024」が開催された。

この期間に合わせ、サミットの会場である「The Venetian Convention and Expo Center」から徒歩5分ほどの場所に位置する、球体の大型サイネージ「Sphere(スフィア)」では、IBMがアドビの画像生成AI「Adobe Firefly」を活用して制作した映像を掲出している。IBMは同イベントのスポンサーのうちの1社でもある。

映像は約1分半。水槽にさまざまな姿形の魚が泳ぐ様子が映し出される。

「スフィア」は2023年9月に一般公開された、ラスベガスにある球体の形をしたアリーナ。球体の高さは約110メートル。映像には、ロボットのような魚、いびつな形をした魚などが登場する。

その中には、何故かハムスターのような姿の魚も。

徐々に金魚の数が減っていき、正常な姿形の1匹のみが残る。

1匹残された金魚が増殖していく。最後に「Trust What You Create」というメッセージが表示される。

IBMおよびアドビのロゴ。IBMがスフィアに映像を掲出するのは今回が初。

映像のコンセプトは「Trust」。今回のサミットにおいて、IBMが生成AIへの向き合い方の指針として打ち出したものだ。

IBMコンサルティングのCMOであるカレン・フェルドマン氏は、「生成AIの時代において重要なのは、『信頼』すること。もちろん生成AIの活用の過程では失敗もあるでしょうが、それを繰り返した先にはひとつの答えがあります。その“正解”を拡大させていくことが重要です。そんなAIの力を私たちは信じています」と話す。

「スフィア」現地での会場にて取材に応じた、IBMコンサルティングのCMO カレン・フェルドマン氏。

 

今回の映像ではそのストーリーを魚で表現。生成AI活用における多様な失敗のパターンの比喩としてさまざまな種類の金魚を登場させ、そこから最後の1匹に行き着き、さらにその1匹が増えていく様子を表した。

映像に登場した魚たち。目的とずれてしまった魚(Drift Fish、中央)、管理されていない魚(Unmanaged Fish、中央上・左)サイロ化した魚(Siloed Fish、右下)など、企業の生成AIの活用過程において生じがちな課題を表している。

サミットの会場にもIBMは出展。


サミット会場のブースでは、Web&ARコンテンツ「Fishy.AI Tank」も提供した。
 

今回の制作においては、魚のクリエイティブアイデアを考える際にAdobe Fireflyが活用されている。「(クリエイティブアイデアを考える過程は)通常のように広告会社に依頼すると3週間ほどはかかりますが、今回はFireflyを使うことで2日ほどでできました」とカレン氏。ただそれをスフィアのユニークな球体サイネージに合った映像にするために、別途期間を設けプロダクションにも依頼して制作されたという。

IBMは自社でも2023年5月に、AIが導入されたビジネス向けのデータプラットフォーム「IBM watsonx」をローンチした。6月には1000人以上の生成AI専門のコンサルタントを有する生成AIの専門組織を立ち上げるなど、ビジネスにおけるAI活用をリードしてきた背景を持ち、「生成AIの活用に責任を感じている」とカレン氏。

スフィアでの掲出は28日までだが、「Trust」というキーワードは今後も継続して打ち出していく考え。

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