地域外企業とも連携、スポーツビジネスに新風を-「収益」の壁をどう乗り越えるか

進化したパートナーシップと「収益を生みだせていない」という壁

湘南ベルマーレフットサルクラブでは2022年から、これまで行ってきた試合会場でのパートナー企業の看板設置や選手ウェアへの社名露出に加え、パートナー企業のサービスや製品を活用した社会課題解決プロジェクトを立ち上げ、新しい関係を構築してきました。

写真 人物 集合

災害避難時に子どものメンタルをケアし、運動する機会を絶やさないよう、災害備蓄用段ボールが遊具になる商品をパートナー企業と共同設計(2023年9月)。

包括連携協定を結んだ自治体(小田原市・南足柄市・秦野市・中井町・大井町・松田町・山北町・開成町など)とはスポーツに限らず、案件ごとに必要な担当部局とすぐに連携しプロジェクトを推進。官民連携が加速していきました。

選手が出演する自治体のリサイクル啓発動画を制作したほか、イベントを実施(2023年6月)。

また、教育機関との関係にも変化が表れました。従来は子どもたちにスポーツを教えたり、選手の生き方や夢を語ったりする授業が多かったのですが、それらに加えて地域創生や社会課題を題材とした授業も行い、学生や子どもたちとの接点を増やしていきました。

人間成長講座として、地域創生とスポーツ興行を題材に大学の授業をアレンジ(2023年7月)。

選手が小学校の先生としてSDGsを楽しく学べる授業を実施(2023年8月)。

さらには当初思い付かないような展開もいくつかありました。例えば自治体からの声掛けで、自治体と私たち以外にもう1社地域企業を加えた3者による共同イベントの開催が増えたり、競技以外の社会活動を行う選手をサポートするパートナー企業が登場したりしました。

写真 小田原市と地元スーパーとの3社共同で、環境事業として店頭で段ボールコンポスト配布イベントを開催

小田原市と地元スーパーとの3社共同で、環境事業として店頭で段ボールコンポスト配布イベントを開催(2024年3月)。

写真 人物 社会課題解決活動を自分で企画し、実践した選手の運営費を支援するサポート企業も誕生した

社会課題解決活動を自分で企画し、実践した選手の運営費を支援するサポート企業も誕生した(2022年12月)。

この社会課題解決というテーマの下、スポーツの領域を超え、あらゆるジャンルに横断的に飛び込むことで自治体や企業との関係が変化し、新たな可能性を感じる一方で、一つの悩みが浮上してきました。それは

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佐藤伸也(湘南ベルマーレフットサルクラブ 代表取締役社長)
佐藤伸也(湘南ベルマーレフットサルクラブ 代表取締役社長)

1977年神奈川県藤沢市生まれ。2007年フットサル施設の運営会社起業と同時に、湘南ベルマーレフットサルクラブのGMに就任し、Fリーグ開幕初年度を迎える。2022年4月より同社代表取締役社長。スポーツ庁主催イノベーションリーグ大賞受賞。小田原市など8自治体との包括連携協定を締結しゼブラ事業を推進する。

佐藤伸也(湘南ベルマーレフットサルクラブ 代表取締役社長)

1977年神奈川県藤沢市生まれ。2007年フットサル施設の運営会社起業と同時に、湘南ベルマーレフットサルクラブのGMに就任し、Fリーグ開幕初年度を迎える。2022年4月より同社代表取締役社長。スポーツ庁主催イノベーションリーグ大賞受賞。小田原市など8自治体との包括連携協定を締結しゼブラ事業を推進する。

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