日本プロモーショナル・マーケティング協会(JPM)は11月27日、「JPMアワード」の受賞者を発表。「第53回 日本プロモーショナル・マーケティングショー 2024」にて表彰が行われた。
「JPMアワード」は、POP広告を表彰する「JPM インストアマーケティングショー&アワード」と、25歳以下の社会人および学生を対象に優れたディスプレイ/売り場デザインを表彰する「JPM ヤングクリエイティブ・アワード」、そして日本最高レベルのプロモーション企画を表彰する「JPM プロモーショナル・マーケティングアワード」の3カテゴリーで構成されているアワード。今回は計531作品が集まった。
POP広告、最高賞はイプサに
POP広告を表彰する「JPM インストアマーケティングショー&アワード」において最高賞に値する「経済産業大臣賞」を受賞したのは、イプサの「IPSA MEレコメンダー」。バリエーション豊富な商品の中から、最適なものを選んでもらうためにニュアンスを汲めるカウンセリング機能の付いた展示台。店員と対面で会話することなく、気軽に自分の好みを入力できるほか、消費者インサイトを的確に捉えた先端的なツールであることが評価された。制作はTOPPAN。
また、審査員特別賞を受賞したのは三菱食品リンドールの「リンドールWOW什器」。店頭ツールとして王道を行く手法だが、思い切った大きさとリアリティに力がある。元々海外での木製の什器を紙で再現、組み立て時間と環境への配慮も評価のポイントになっているとして評価された。
審査委員長を務める多摩美術大学 名誉教授の山形秊央氏は当カテゴリーの受賞作品について、「審査を通して、店頭もデジタル化の浸透による“人と人のコミュニケーション”の重要性が増している一方で、人口減少による省力化も課題だと感じた。経済産業大臣賞の作品は、AIとの対話に使われるプロンプトのような対話形式で、柔らかさと上品なデザインで、時代性とデザイン性の両方から受賞に相応しいと審査員全員から評価された。審査員特別賞の作品は、木製から紙製への素材変更により組み立てが軽減。省力化も図られており、かつお菓子らしい楽しさも伝わる作品だった。400を超えるエントリー作品の中で、卓上POPカテゴリーではインサイトに響く訴求内容の視覚化に優れた作品が数多く見られた。ますますコミュニケーションが大事になる世の中で、ストアの重要性は増していると感じることができた」と評した。
25歳以下対象 ヤングクリエイティブ・アワード結果
25歳以下の社会人および学生を対象に優れたディスプレイデザイン、売り場デザインを顕彰する「第2回JPM ヤングクリエイティブ・アワード」では、「2部門の金賞」と「協賛社賞」が発表。売り場デザイン部門で金賞に選ばれたのは、同志社女子大学の田邊琴乃氏、木村心万氏、木瀬 那津海氏による「Secret Floriography」。店頭体験として地味になりがちな『種』に花言葉の魅力を合わせる事でストーリー性を作り、ワクワク感を体験させる演出や、種を植え育てる×VRデジタルという意外性のある掛け合わせもオリジナリティがあると評価された。
ディスプレイ部門で金賞を受賞したのは千葉県立東金テクノスクールの杉田一花氏が制作した、「選ぶ楽しさ!見つかる喜び!」(課題:象印マホービン)。ボトル柄からインスパイアされた世界観を迫力が伝わる飛び出す絵本のワンシーンで表現し、子供が商品を選ぶドキドキ・ワクワクが伝わるPOPでありながらしっかり選ぶ楽しさを伝えていることを評価された。