一般社団法人日本民間放送連盟(民放連)はインターネット上のプラットフォームサービスなどに民放放送局のコンテンツが違法にアップロードされている実態、ならびに違法にアップロードされたコンテンツに大手広告主の広告が掲出されている実態を明らかにするため、2024年11月~12月にかけて、調査を実施した。動画投稿サイトのYouTube、Facebook、TikTok、Xの主要SNSサービスのほか、一般的なウェブサイトを調査対象とした。
具体的にはYouTubeへの違法アップロードについては、登録者数が1万5千人以上のチャンネルを対象に実施された。
Facebook、TikTok、Xでは、在京民放テレビキー5局の25の番組名をキーワードに設定して検索。違法アップロードを行っているアカウントをサンプルとして300件検出した。調査は、この300アカウントについて違法アップロードコンテンツ件数や再生回数をカウントする形で行われた。
1月22日、民放連は本調査の結果を発表。違法アップロードの実態は、以下の通り。
〇YouTubeへの違法アップロードについては、登録者数が1万5千人以上のチャンネルだけでも、54のチャンネルで民放コンテンツが違法アップロードされていた。54チャンネルの違法アップロードコンテンツの合計は5,745件、のべ再生回数は約17億回。
〇1再生あたり1回の頻度で広告が表示されると仮定し、インプレッション単価を1円として推計すると17 億円の広告費が流出していると民放連は試算を出している。
〇TikTokではサンプル300アカウントで6193、Facebookでは4117、Xでは2469の違法アップロードコンテンツが確認された。また、それぞれののべの再生回数はTikTokで5億回、Facebookで1400万回、Xで1億3000万回再生されていた。
また本調査においては、違法アップロードコンテンツとともに表示されている広告の実態も調査された。民放連では日本アドバタイザーズ協会の会員267社(調査時)を「大手広告主」と定義。調査の結果、違法アップロードコンテンツとともに表示されていた広告主の総数は460社で、このうち「大手広告主」は84社だった。

関連記事