ECサイトで3万人超の新規ユーザー流入も Pinterestの広告効果とは

検索・ソーシャル・コマースの機能を兼ね備えたビジュアル探索プラットフォーム「Pinterest(ピンタレスト)」。月間アクティブユーザー数は世界で5.37億人、ニールセン社のデータによると、日本の月間利用者数も1050万人を記録するなど、着実にその存在感を高めている。
 
ピンタレスト・ジャパン 執行役員ディレクターの井上英樹氏は、2024年11月28日、29日に開かれた「宣伝会議サミット2024」のセッションに登壇し、Pinterestのユーザーや使われ方の特徴、広告メニューなどを紹介。すでに成果が出ている国内の広告活用事例もあわせて紹介しながら、Pinterestの効果的な活用方法を解説した。

認知から検索や購買につながるプラットフォーム

Pinterestは、ユーザーがやりたいことや欲しいもののアイデアを探し、インスピレーションを得て実際の行動に移すという体験を支援するプラットフォームだ。ポジティブな空間の構築に注力していることから、2024年には米TIME誌の「世界で最も影響力のある100社」に選出された。

日本のユーザー層は、16~44歳のZ世代とミレニアル世代が月間アクティブユーザーの約7割と幅広い。また、男性は約4割、女性は約6割といった構成で、世帯年収は非Pinterestユーザーと比較して1.2倍ほど高いというデータが出ている。

「Pinterestは、使えば使うほどその人の好みを解析して、自分に合ったアイデアや商品を発見できるようになります。自分の好きを見つけるために、楽しみながら利用いただいているという点が、他のソーシャルメディアと異なる点です」(井上氏)

能動的にアイデアや商品を探すために利用されているのがPinterestの特徴だ。ユーザーは、Pinterestで自分のやりたいことや欲しいものを発見したらボードにストックし、それを見返しながら比較検討したり、購買を含む行動に移したりといった使い方をしている。つまり、マーケティングファネルの早い段階から利用されており、コンテンツの寿命も長い。

写真 人物 個人 井上英樹

ピンタレスト・ジャパン 執行役員 ディレクター 井上英樹 氏

探索の対象カテゴリーは、ファッションやインテリア、レシピといった日常のアイデアはもちろん、クリスマスや新生活といった季節のイベント、結婚式や家の購入、リフォームといったライフモーメントと幅広く、日本ではユーザー1人当たり平均12種類のカテゴリーにエンゲージしている。

「Pinterestのアイデア探しのきっかけの一つは、モーメントです。Pinterestの96%の上位検索がブランド名や商品名を指定しない非指名検索なので、モーメントに寄り添ったあらゆるコンテンツが、アイデアとしてユーザーの目に留まる可能性があるといえます。特に、季節のモーメントは、マーケティングの切り口として非常に有効です」(井上氏)

加えて、日本のユーザーの60%以上がショッピング目的でPinterestを利用しているというデータもある。さらに、ユーザーの30%がPinterestで見つけた商品やサービスを他のアプリやサイトで検索し、18%がPinterestで見つけた商品やサービスを実際に購入したと回答している。

「このようにPinterestは、購入するブランドや商品が決まっていないユーザーにリーチをし、そこから実際の検索や購買といった行動につなげていくことが期待できるプラットフォームだと考えています」(井上氏)

Pinterestで成果を上げた活用事例を紹介

Pinterestでは、様々なコンテンツからアイデアを得て行動につなげるというプラットフォームの特性上、広告もユーザーにとってはコンテンツの一つとなっている。

「一般的なソーシャルフィードや動画フィードでは、広告は視聴したいコンテンツの流れを中断してしまうといった存在になりがちです。しかしPinterestでは、広告自体がユーザーの探している情報や製品と密接に関連しているため、コンテンツの一部として自然に受け入れていただきやすい。結果として、『Pinterestでは自分の興味に合った広告を見かけることが多い』『広告もコンテンツとして役立つ』と回答するユーザーが、他のプラットフォームよりも圧倒的に多くなっています」(井上氏)

写真 人物 個人 井上英樹

Pinterestが提供している広告フォーマットは、静止画や動画、ワイド動画、カルーセルなど様々なものが用意され、認知から購買までフルファネルで活用することができる。中でも、PinterestからAmazonや楽天などのECサイトへシームレスにリンクできる「モバイルディープリンク」は、これを導入したことでPinterest経由の収益が8倍になったという事例も見られた。

食材などを販売する富澤商店は、Pinterestアドを5カ月間にわたって継続的に活用し、ECの新規ユーザー獲得目的のコンバージョンキャンペーンを実施。その結果、3万以上の新規ユーザーが流入し、CPA(顧客獲得単価)も他媒体より85%低減。オーガニックの流入も前年比で30%増加するなど、高いパフォーマンスを得た。

サントリーは、スパークリングワイン「フレシネ プロセッコ」シリーズで、圧倒的な視認性を確保できるプレミアスポットライトと運用型の広告を組み合わせて活用。これにより、非常に高い動画視聴率を記録したほか、若年層の購入意向もベンチマークに対して8倍といった成果を上げ、新規顧客の開拓につながった。

また、オンラインで生花を販売する花キューピットは、敬老の日のシーズンに合わせて広告を活用。AIが魅力的な背景を自動生成して商品画像に付与するPerformance+クリエイティブの機能を使用した場合と使用しなかった場合で広告効果を比較したところ、クリック率は20%増加、コンバージョン率は80%増加と高い成果を得た。

「様々な事例をご紹介しましたが、ユーザーが総じて能動的にアイデアを探しに来ているというPinterestのプラットフォームの性格があるからこそ、広告がブランドの指標やユーザーの行動喚起に寄与する傾向が高いのだと考えています」(井上氏)

お問い合わせ

ピンタレスト・ジャパン合同会社

https://business.pinterest.com/ja/ads-consultation/

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