宣伝会議が主催する、100社を超える企業のマーケティング責任者が集うコミュニティである「CMO X」。研究会の開催やイベントでの登壇などのほか、交流活動も行っており、2024年12月18日には、年に一度メンバーが一堂に会する場である「Year-end Networking Day」が東京・九段会館テラスで開催された。
資生堂ジャパン 北原規稚子氏の乾杯の挨拶から会がスタート。
仲間が集い、共感の和が広がる「発信力」
「Year-end Networking Day」では、メンバー同士の交流の機会だけでなく、ゲストも招いて各種プログラムを実施。今回は特別ゲストによるトークセッションも行われた。
トークセッションのゲストは俳優、そしてアート方面でも活躍する坂東工氏、インフルエンサーとして注目を集めてきた、ゆうこす氏の2名。自己表現の活動に共感する仲間が集って新しいコミュニティを広げている、という共通点を持つ2人が「仲間が集い、共感の和が広がる『発信力』」をテーマにトークセッションを行った。
左から「CMO X」のコンテンツディレクターをつとめる月刊『宣伝会議』編集長の谷口優、坂東工氏、ゆうこす氏。
最初の質問は「演じることと、自己表現の違い」について。ゆうこす氏は「インフルエンサーはライフスタイルを発信する職業ですし、社員の前でも代表ゆうこすとして憧れられる存在でいたいと思っています。だから私は、素の自分ではなく“ゆうこす”というキャラを初めに設定しています」と話す。自身の知人やファンがゆうこすをどう紹介するか、そこから逆算して組み立て、「ニッチでポップでキャッチ―か」を意識しているという。一方の坂東氏も「役になりきるためのスイッチを入れる瞬間は確かにあります。でも、演じてる時もそうでないときも、どちらも自分であることに変わりはありません。ただ、自己表現をするうえで“自分のためにはしない”ことを心がけています。自己表現するときは、なおさら誰かのためになることを意識しています」と答えた。
次の質問は、「共感を生み出す発信」について。ゆうこす氏は自らが発信する際、ライト層に向けて「ポップ」と「キャッチー」を重視しているという。ただし、それだけでは共感は生まれず、あえて掘り下げられるコアな情報を盛り込むことにより、 “発信を見た自分だけが知っている”“他の似た人とこんなところが違う”という感情を生み出し、話題にしたくなる内容にすることを目指している。
坂東氏は、発信する情報を段階的に深めていくことで強い絆が生まれ、それが共感になると考えていると回答。ただ「多くの企業は認知を目的に情報発信しているように思える」として、認知と共感の違いを認識しておくべきだと話した。