セコムは3月11日、新たなアンバサダーに大谷翔平選手を起用したと発表した。セコムといえば1990年から長嶋茂雄を起用し、CMでは「セコム、してますか?」のフレーズでおなじみ。大谷の新たな起用にあたり、CGで再現した現役時代の長嶋との共演が実現し、同日から「夢の対決」篇として公開した。15日からテレビCMとして放映される。
ここで気になるのが、現役時代の長嶋茂雄をどう再現したか?という制作プロセスだ。
企画制作は電通のチーム。クリエイティブディレクターを務めた新志康介氏によると、まず「60年前の長嶋さんを現代に甦らせ、大谷選手と対決していただく」という企画を長嶋監督本人の承諾を得るところからスタートした。
撮影にあたっては長嶋茂雄と同じ背格好の野球経験者をキャスティング。ボディダブルで撮影し、その体に対し、CG制作した顔を合成している。
「バッターボックスに向かう仕草やルーティン、スイングなどの映像を集め、それを何度も見てもらいながらご本人の動きを完コピしていただき、撮影しました」(新志氏)。
長嶋の顔は本人のプレーを学生時代の頃から見ている旧知の人たちや家族、多数ある現役時代の資料の中からベンチマークとなるリファレンス画像を設定。多くの人たちがイメージする長嶋茂雄を再現した。
「セコム、してますか?」のフレーズでも2人が共演
CMではピッチャーマウンドに立った大谷に対峙し、バッターボックスに長嶋が登場する。
「実は長嶋は現役時代、メジャーリーグからオファーを受けていて、しかもそのチームが現在、大谷が所属するロサンゼルス・ドジャースであった」という事実も織り交ぜながら、時空を超えた対決を描き出した。さらにCMを締めくくる「セコム、してますか?」のフレーズは両名の声を重ねた。
新志氏は改めて長嶋茂雄について調べる中で、現役時代にドジャースからオファーがあったのだと知った。
時を超えた巡り合わせを感じ、CMでは「60年前、ひとりの日本人にアメリカから実は声がかかっていた」「いま、ぼくはその場所で挑み続けています」という大谷のナレーションを重ねた。
「セコムだからこそ描けた夢の対決。長嶋監督と大谷選手も楽しみにしていた勝負の行方を、想像していただければ」と新志氏は話している。

スタッフリスト
企画制作
電通、電通クリエイティブピクチャーズ
ECD
岡本昌大
戦略CD
江口勝之
CD+企画
新志康介
企画+C
上田太規
企画+AD
堀崇将
企画
坂下義明、塚田航平
D
桝屋直人、三浦諒大
CPr
鈴木夢乃
Pr
吹野慎太朗(CM)、小川智勝(GR)
PM | 鈴木啓祐、羽住隆人 |
撮影 | rakuda、安西啓輔(GR) |
照明 | 大石浩司 |
美術 | 秋葉悦子 |
CG | 只野巧(長嶋・CGプロデューサー)、杉山剛大(長嶋・CGディレクター)、貞原能文(スタジアム・CGプロデューサー) |
VFX | 須藤公平 |
レタッチ(GR) | 福井修 |
音楽 | 福島節 |
SE | 小林範雄 |
MIX | 野村弘 |
ST | 藤井享子(大谷)、山田直樹(長嶋) |
HM | Yuriko Bondies(大谷) |
CRD | Motoki Tomatsu |
AE | 加藤裕貴、松下晋也、太田英作 |
出演 | 長嶋茂雄、大谷翔平 |