消費者は企業との“共創”をどのように捉えているのか?

マーケティング、リサーチコンサルティング事業などを展開する10INC.は、全国20代から60代男女217名に対して、消費者と企業の関係に見る「価値共創」の概念について調査を実施した。調査期間は2025年2月19日~25日。

2024年1月に日本マーケティング協会がマーケティングの定義を刷新。この刷新では、マーケティングの主体は企業だけでなく個人にも広がり、社会全体と共に価値を創造する“構想”や“プロセス”として再定義され、その中心にあるのが「価値共創」という考え方があるとされている。

10INC.によると、マーケティングリサーチの世界でも、従来の“問う/問われる ”という一方向の関係性から、問いや解を共に見つけていく「共創型」へと進化が始まっているという。このような流れを経て、同社は「価値共創」に対する消費者の認知、関心、参加意欲について意識調査を行った。

認知は低いが関心は高い、「価値共創」の現状

好き/ファンであるブランドや企業を思い浮かべ、それらが自身にとってどのような存在かを尋ねたところ、全体の40%が「愛着を感じる存在」と回答。さらに、「一生のパートナー」や「かけがえのない存在」と答えた人を含めると全体の75%に達し、消費者は好きな企業やブランドに対して、心理的距離が近く、強いつながりを感じている傾向が明らかとなった。

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また、価値共創についての認知度を尋ねたところ、「内容までよく知っている」と回答した人は7%にとどまった。

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しかし、価値共創の概念を提示して、関心度を尋ねたところ、80%以上の人が価値共創に対して関心を示す結果となった。特に、好き/ファンである企業やブランドを「一生のパートナー」や「かけがえのない存在」と感じているなど、企業やブランドとの心理的距離が近い人ほど、価値共創への関心が高まる傾向が見られた。

【10INC.が提示した価値共創の概念】
「価値共創」とは、企業やブランドが一方的に価値を提供し、顧客が受け取るという従来の考え方とは異なり、企業と顧客が協同して新しい商品・サービスを創り上げたり、企業と顧客、または顧客同士が交流を通じて関係性を築いていくプロセスを指す。
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価値共創におけるかかわり方とは?

「好きな企業・ブランドが価値共創を行うとしたら、どうかかわりたいか?」と尋ねたところ、70%が「アンケートに回答する」と回答。

一方で、40%以上の人が「商品・サービスの共同開発」「イベントやワークショップへの参加」「コミュニティでの交流」など、より深い関係性を築く双方向のかかわりにも関心を寄せていることが分かった。

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