「BOVA」オンライン動画部門 結果発表!グランプリは「彼らは彼らで」に

グランプリは詐欺対策を促す動画に

月刊『ブレーン』(宣伝会議刊)主催のオンライン動画コンテスト、第12回「BOVA(Brain online video award)」の〈オンライン動画部門〉の上位受賞作品が、5月1日に発表された。BOVA公式サイトおよび『ブレーン』2025年6月号の誌面上で掲載されている。

〈オンライン動画部門〉のグランプリを受賞したのは、トレンドマイクロの「高齢の親とその子供が一緒に詐欺対策をしたくなる動画」への応募作品「彼らは彼らで」。今井俊希氏(ADKマーケティング・ソリューションズ)、潮一希氏(シースリーフィルム)、橘潤樹氏(Reservoir)らが手がけた。

〈オンライン動画部門〉でグランプリを受賞した「彼らは彼らで」。

動画は、とある青年が目標を叶えるためにひたむきに頑張る爽やかな成長譚――と思いきや、ラスト数秒でとある事実が浮き彫りとなる。「まさか!」という気付きを通じて、トレンドマイクロの課題である「詐欺対策」を促した。

本作について、〈オンライン動画部門〉の最終審査員であるなかじましんや氏と有元沙矢香氏(電通)は次のようにコメントしている。

「『犯罪者は本気。相当な対策が必要』というコンセプトを、防犯の側からではなく犯罪者の側から描くことによって表現しよう、という逆転の発想が新鮮。そして見る者を最後までミスリードしてまさかのエンディングへと導く演出の巧みさには舌を巻きました。数あるオレオレ詐欺防止モノの中でも群を抜いた傑作です」(なかじま氏)。

「完全に騙されました。オンライン動画ならではの、引っ張って引っ張って裏切る仕組みと、この詐欺というテーマがとても鮮やかにリンクしていました。キャストの選び方、ちょっとした引っ掛かりをつくるインサート、最後の持っていき方など、演出もうまく、この秒数に値する見応えがありました」(有元氏)。

今回の〈オンライン動画部門〉では、247点(うち学生部門78点)の応募があった。グランプリのほか、ゴールド(2点)、シルバー(3点)、学生部門賞(2点)、審査員個人賞(9点)は以下の通り。受賞者のコメント、スタッフリスト、各作品への最終審査員の講評、ファイナリスト(最終審査会で対象となった作品)は、5月1日発売の月刊『ブレーン』2025年6月号に掲載されている。同じ号では〈縦型動画部門〉の協賛企業賞も発表している。

オンライン動画部門 受賞作品一覧

◆グランプリ
タイトル:「彼らは彼らで」
応募課題:トレンドマイクロ/高齢の親とその子供が一緒に詐欺対策をしたくなる動画
代表者:今井俊希(ADKマーケティング・ソリューションズ)、潮一希(シースリーフィルム)、橘潤樹(Reservoir)

◆ゴールド(2点)
タイトル:「ダ・サポ療法」
応募課題:立命館大学/アートやデザインは無関係だと思っている若者を振り向かせる動画
代表者:西遼太郎(TYO)、小松南・市原雅章(FIELD MANAGEMENT EXPAND)

タイトル:「季節はペンを置けという」
応募課題:立命館大学/アートやデザインは無関係だと思っている若者を振り向かせる動画
代表者:岩田奎(電通)、鳥海優(GMO ENGINE)、畑野亮(電通クリエイティブピクチャーズ)

◆シルバー(3点)
タイトル:「釣り怖」
応募課題:バンダイ/親目線で「魚ギョッと釣りグミ」を子供に買ってあげたくなるような動画
代表者:飛田ともちか(電通)、堀井亮良(電通クリエイティブピクチャーズ)、谷口雄紀(ギークピクチュアズ)

タイトル:「ダンシング・ポーラーベア」
応募課題:伊勢半/やさしいイメージだけど、しっかり日焼け止め効果があるUVシリーズと伝わる動画
代表者:船引悠平(ADKマーケティング・ソリューションズ)、梅村晃一・長沼謙太(シースリーフィルム)

タイトル:「僕のおまもり」
応募課題:東亞合成/「アロンアルフア」を使ってみたくなる動画
代表者:渡邉涼介(博報堂)、室田晋・酒井響和子(AOI Pro.)

◆学生部門賞(2点)
タイトル:「ZURICHへダイレクトアタァァック!」
応募課題:チューリッヒ保険会社/自動車保険と言えば、どうしたって「チューリッヒ」を思い出してしまう動画
代表者:花村美咲(多摩美術大学)

タイトル: 「出会いは『欲しい』から」
応募課題:ビックカメラ/ビックカメラに行きたくなる30秒の動画
代表者:安江響(名古屋学芸大学)

◆審査員個人賞(9点)
●有元沙矢香
タイトル:「HAPPY 貢献 報告会」
応募課題:ロッテ/ガムってやっぱいいよね~と思えるような動画
代表者:高橋かのん(博報堂)、舩木優菜・土屋涼(ギークピクチュアズ)

●太田郁子
タイトル:「バイ- ガム!~ 感情マネジメント作戦~」
応募課題:ロッテ/ガムってやっぱいいよね~と思えるような動画
代表者:宮川理恵

●川村真司
タイトル:「人生を紡ぐ」
応募課題:立命館大学/アートやデザインは無関係だと思っている若者を振り向かせる動画
代表者:酢矢藤花音(y4create)

●神田祐介
タイトル:「笑い屋」
応募課題:タイガー魔法瓶/「今日はタイガーボトルを持って出かけよう。」そんな気持ちになる動画
代表者:松吉亨( 東急エージェンシー)、柴田哲平・入谷修弘( シースリーフィルム)

●佐藤雄介
タイトル:「TAMAYO QUIZ」
応募課題:トレンドマイクロ/高齢の親とその子供が一緒に詐欺対策をしたくなる動画
代表者:高階壮秀(電通)、殿村晋作(GMO ENGINE)、山口えり花(Villege)

●渋江修平
タイトル:「サッポ・ロック・フェス」
応募課題:カルビー/小学生が思わずサッポロポテト♪と言いたくなる動画
代表者:堤玄・会津友貴(浜松未来総合専門学校)

●鈴木わかな
タイトル:「アベとマコ」
応募課題:東亞合成/「アロンアルフア」を使ってみたくなる動画
代表者:中村紅花(GMO ENGINE)、嶋崎仁美(電通)、鈴木那津子(AOI Pro.)

●なかじましんや
タイトル:「今日のオレ予報」
応募課題:タイガー魔法瓶/「今日はタイガーボトルを持って出かけよう。」そんな気持ちになる動画
代表者:森川芹(TBWA\HAKUHODO)、神田蘭子(博報堂プロダクツ)

●吉兼啓介
タイトル:「Gummy Love」
応募課題:ロッテ/ガムってやっぱいいよね~と思えるような動画
代表者:河口泰子(博報堂 クリエイティブ・ヴォックス)、平尾太一・小林寿樹(博報堂プロダクツ)

BOVAとは

映像制作業界の活性化とこれからを担う動画クリエイターの発掘と育成を目指し、月刊『ブレーン』(宣伝会議刊)が2013年から実施しているオンラインに特化した動画のコンテスト。

〈オンライン動画部門〉
協賛企業から出された課題に対して、解決策となる動画を募集します。動画の条件は、これまでに未発表であること、3分以内であることです。今回は歴代で最多となる16社の企業に課題協賛をいただきました。

〈縦型動画部門〉※今回の第12回BOVAより新設
協賛企業から出された課題に対して、解決策となる縦型の動画を募集します。動画の条件は、これまでに未発表であること、1分以内であることです。

オンライン動画部門 審査員
最終審査員(五十音順・敬称略)
有元沙矢香(ありもと・さやか/電通 zero クリエイティブディレクター、コピーライター)
太田郁子(おおた・いくこ/アクセンチュア Accenture Song マネジング・ディレクター)
川村真司(かわむら・まさし/Whatever チーフ・クリエイティブ・オフィサー、Co-Founder)
神田祐介(かんだ・ゆうすけ/神田商事 クリエイティブディレクター、CMプランナー)
佐藤雄介(さとう・ゆうすけ/電通 zero クリエイティブディレクター、CMプランナー)
渋江修平(しぶえ・しゅうへい/フリーランスの映像ディレクター)
鈴木わかな(すずき・わかな/ディレクター)
なかじましんや(CMディレクター、クリエイティブ・ディレクター)
吉兼啓介(よしかね・けいすけ/HAKUHODO CABIN CMプラナー、クリエイティブディレクター)

一次審査員(同)
●ディレクター
池田 萌(いけだ・もえ/太陽企画 ディレクター)
伊勢田世山(いせだ・せざん/GLASSLOFT ディレクター)
隈本遼平(くまもと・りょうへい/AOI Pro. ディレクター)
金野恵利香(こんの・えりか/TYO WHOAREYOUディレクター)
洞内広樹(ほらない・ひろき/電通クリエーティブXディレクター)
●プランナー
片岡良子(かたおか・りょうこ/CHERRY コピーライター)
加藤洋平(かとう・ようへい/ADKマーケティング・ソリューションズCMプランナー、クリエイティブディレクター)
鈴木晋太郎(すずき・しんたろう/電通 zero クリエイティブディレクター、CMプランナー、コピーライター)
松尾 昇(まつお・のぼる/九州博報堂コピーライター)
水本晋平(みずもと・しんぺい/電通 zero クリエーティブディレクター、CMプランナー)

今後は5月30日に、BOVA公式サイトおよび『ブレーン』7月号にて〈縦型動画部門〉の受賞作品を発表予定。

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