非日常の刺激でアイデアを磨く“思考のアトリエ” マーケターのためのバー4選

モノの機能性だけでなくコトの体験価値が、マーケティング戦略上、ますます重要度を増している時代。マーケター、クリエイターは常に新しく魅力的な体験を探しています。

 

そんな魅力的な体験をいち早く経験できるのが、東京のレストランシーン。本記事は「エクスペリエンス・プロデューサー」の肩書で活動する、ミリモルホールディングス代表取締役の河野貴伸氏が、いま、体験すべき!とお勧めする、マーケター・クリエイターの感性を刺激する、レストランやバーを紹介する連載企画です。

 

店舗やメニューの紹介、そのお店の「エクスペリエンス」の何に、マーケター・クリエイターが学ぶべきポイントがあるのか、魅力を解説いただきました。

世には数多のバーが存在するが、広告やマーケティング、クリエイティブに携わる者にとって、バーは単なる“お酒を飲む場所”ではない。非日常の刺激を求め、アイデアを磨くための“思考のアトリエ”とも言える空間である。慌ただしい日常を一歩抜け出し、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚のすべてを刺激されれば、自然と新しい発想への扉が開かれるだろう。今回は、そんな「刺激的な非日常でアイデアを磨く。東京のバー4選」をお届けしたい。

仕事仲間と次の企画を練るも良し、あるいはデートや一人時間を満喫するも良し。そんな多様なシーンで活躍してくれる、個性豊かな4軒を厳選してみた。

店舗紹介

路地奥に潜むストリートバー。ホテルのロビーを思わせる“実験空間”

LOBBY(ロビー/池尻大橋)

イメージ LOBBY

イメージ LOBBY

イメージ LOBBY

まず紹介したいのは、目黒区・池尻大橋近くの路地裏にある【LOBBY】。実はここ、デザイン会社「and Supply」が4年前に立ち上げた“ストリートバー”というコンセプトの自社店舗であり、同社の原点とも言える大切なプロジェクトだ。「ホテルのロビーのように、誰もが気軽に利用できる場所」を目指した店名が示す通り、肩肘張らずに過ごせるフランクな雰囲気が魅力である。

店内はコンクリートの躯体を生かした無骨な仕上げに、テラゾーやブラックチェリー材のバーカウンターを掛け合わせた“ラフ&リッチ”なデザイン。よく見ると脚付きのカウンターやグリーンのスチールサッシなど、随所にオリジナルのアイデアが散りばめられている。気心の知れた仲間と軽く一杯するも良し、一人でカウンターに腰掛け、日中の喧騒を忘れて思考を巡らせるも良し。ここなら、余計な先入観や常識をひとまずリセットして、新しいアイデアと向き合う時間をつくることができるだろう。

★Information★

●住所:東京都目黒区東山3-6-15
●電話番号:03-4303-6814
●営業時間:月〜木18:00〜24:30
金・土18:00〜25:00
日18:00〜24:00
●定休日: なし
●ドリンク:自家製パインラムハイボール 1,100円
バイオレットレモンサワー 950円
L・O・B・B・Y 1,450円
※すべてカクテルのメニュー名

香港から逆輸入。昼から楽しむ和×洋のオリエンタルカクテル

MIZUNARA:In Tokyo(ミズナラ イン トーキョー/神楽坂)

イメージ MIZUNARA:In Tokyo(ミズナラ イン トーキョー)

イメージ MIZUNARA:In Tokyo(ミズナラ イン トーキョー)

イメージ MIZUNARA:In Tokyo(ミズナラ イン トーキョー)

次に紹介するのは、神楽坂の「かくれんぼ横丁」に誕生した【MIZUNARA:In Tokyo】。実は香港に本店を置き、アジアでも展開している名門バーの日本初出店として話題を集めている。名前にもある「ミズナラ樽」由来の日本的な香りやテイストを活かしたウイスキーを中心に、海外の視点で独自にアレンジしたカクテルを楽しめるのが最大の特徴だ。

例えば、同店のシグネチャー「香梅」は、甘酸っぱさと和のしっとり感を同時に味わえる美しい一杯。ガラス張りの大きな窓からは昼間の光が差し込み、開放的な雰囲気が広がる。夜のバーに慣れている人ほど、この“昼のバー”体験は新鮮で刺激的かもしれない。ノスタルジックな神楽坂の風情に溶け込むような空間で、軽く1杯、2杯と飲むうちに、思考のスイッチがオフからオンへと切り替わり、次のプロジェクトへのアイデアがふと浮かんでくるに違いない。

★Information★

●住所:東京都新宿区神楽坂3-1-11
●電話番号:03-6265-0064
●営業時間:15:00~24:00(L.O 23:30)
●定休日: 日・祝日
●ドリンク: 旨味サクラマティーニ  2,200円
ピスタチオ アレキサンダー 1,780円
紫蘇モヒート 1,780円

禁断の“グリーン・フェアリー”で感性を解放する

BAR Tram(バー トラム/恵比寿)

イメージ バー トラム(BAR Tram)

イメージ バー トラム(BAR Tram)

イメージ バー トラム(BAR Tram)

クリエイティブな刺激をさらに求めるなら、【バートラム】の扉を開いてみてはどうだろう。路面電車(トラム)をイメージしたノスタルジックな内装が、訪れる者を一気に別世界へ誘う。静かなBGMと控えめな照明に包まれると、まるで19世紀末のヨーロッパの裏路地へタイムスリップしたような気分になる。

そしてここで欠かせないのが、アブサンというリキュール。通称“グリーン・フェアリー”とも呼ばれ、かつて多くの芸術家たちを魅了したこのお酒は、独特の甘苦い味わいと共に神秘的な香りを持つ。専用のアブサンファウンテンから水を一滴ずつ垂らし、変化する色や味を楽しむ儀式のような体験をしていると、日常の制約から解き放たれた感覚を覚える。仕事終わりに友人と語り合うも良し、あるいは一人静かにアブサンと向き合って感性を研ぎ澄ますも良し。この幻想的な空間こそ、まさに“アイデアが芽吹く場”である。

★Information★

●住所:東京都渋谷区恵比寿西1-7-13 スイングビル2F
●電話番号:03-5489-5514
●営業時間:月~土・祝前日 19:00 – 02:00
      ※カフェタイム営業(水~日・祝日)13:00~19:00
●定休日 なし
●ドリンク:アブサン ソニック 1,500円
ショコラ メキシカン 1,650円
マッドハッター 1,750円

銀座の地下に広がる秘密のジャングル。“非日常”を遊び尽くす

Bar LIBRE GINZA(バー リブレ ギンザ/銀座)

イメージ Bar LIBRE GINZA(バー リブレ ギンザ)

イメージ Bar LIBRE GINZA(バー リブレ ギンザ)

イメージ Bar LIBRE GINZA(バー リブレ ギンザ)

最後にご紹介するのは、“銀座の地下に潜む秘密のジャングル”をコンセプトにした【Bar LIBRE GINZA】。オーナーバーテンダーの清崎雄二郎氏が「星の数ほどある銀座のバーの中で、他にはない体験を」と生み出した空間は、まるで異世界へ飛び込んだようなワクワク感に満ちている。

高い天井に星がまたたき、ときおり流れ星が見えたり、ジャングルを想起させる緑が配置されていたりと、子供心をくすぐる仕掛けが随所にある。オリジナルカクテルのラインナップも自然をモチーフにしたものが多く、中でもバラを添えたボックスで提供される「ロイヤルカカオファッションド」は、デートのサプライズにぴったり。また、おつまみからしっかりした食事メニューまで豊富にそろえられているのも嬉しいポイントだ。

何より15時からオープンしているため、ウェイティングバーや2軒目としてはもちろん、日がまだ落ちきらない時間帯から“非日常”を楽しむことができる。仕事のアイデアを詰めたいときでも、デートで特別な演出をしたいときでも、その自由さ(リブレ)を存分に満喫できるだろう。

★Information★

●住所:東京都中央区銀座1-6-6 ARROWS B1F
●電話番号:03-6263-0560
●営業時間:15:00~23:30 (L.O 23:00)
●定休日:年末年始
●ドリンク:柚子緑茶のジントニック 1,700円
ほうじ茶エスプレッソマティーニ 1,800円
ロイヤルカカオファッションド 2,900円

「刺激的な非日常でアイデアを磨く」。クリエイターであれ、ビジネスパーソンであれ、日常のルーティンを抜け出す瞬間は、なかなか訪れないものだ。だからこそ、こうした個性的なバーという“日常を抜け出す場”は、次なる企画やコンセプトを考えるきっかけになる。

今回紹介した4軒は、それぞれが異なるアプローチで“五感を解放する体験”を提供している。デザイン会社が作り上げた無骨と洗練の交差するLOBBY、香港から逆輸入されたMIZUNARAの和洋折衷カクテル、アブサンが織り成す幻想世界のBAR Tram、そして銀座地下の秘密のジャングルBar LIBRE GINZA。どの店も日常を忘れさせる仕掛けが盛りだくさんだ。

慌ただしいスケジュールの合間にも、ひととき脳内をリセットし、新しい視点を得る時間を持ちたいもの。“バーでの体験”が、そのままクリエイティビティを高める糧となるかもしれない。ぜひこの週末や次のオフに、刺激的な非日常へ飛び込んでみてはいかがだろう。そこには、まだ見ぬアイデアの源泉が待っているに違いない。

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著者プロフィール

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河野貴伸氏

ミリモルホールディングス
代表取締役/CEO

2000年からフリーランスのCGクリエイター、作曲家、デザイナーとして活動。2013年、ブランディングエージェンジー、FRACTA創業、代表取締役就任。2020年、上場企業にバイアウト。2024年1月、FRACTAの代表を辞任し2024年3月、AIのマネジメント、トレーニングおよびAIを活用した事業支援を行うMMOL Holdingsを設立、代表取締役就任。


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