Googleは6月2日、YouTubeで高い効果をあげた動画広告を表彰する「YouTube Works Awards Japan 2025」の受賞作品を発表。最高賞の「Grand Prix」にサントリーホールディングスの「飲みに誘うのムズすぎ問題」が選出された。
「YouTube Works Awards」は、YouTubeにおいて高い効果をあげた動画広告を表彰する広告賞で、イギリスから始まり、日本での開催は今年で5回目となる。
2025年は「Best AI Usage」「Best Brand Lift」「Best Direct Conversion」「Best Offline Sales Lift」「Best Shorts Ads」「Breakthrough Advertiser」「Force for Good」「YouTube Creator Collaboration」の8部門で審査が行われた。
各部門の受賞作品の中から、特に革新的にYouTube広告を活用し、ビジネス成果を上げたキャンペーンが、その年を代表する作品としてグランプリに選出される。一次審査では、65名のクリエイティブディレクターや戦略プランナーが全作品を厳正に審査。その結果をもとに、ファイナリスト51作品が選出された。
グランプリはサントリーホールディングスの「飲みに誘うのムズすぎ問題」(電通クリエイティブピクチャーズ)。コロナ禍を経て、飲み会文化の「日常」への回帰や、ハラスメントへの懸念から後輩を飲みに誘いづらいと感じる先輩たちの悩みに着目した。共感を呼ぶWebムービーを制作し、後輩を誘うその瞬間の葛藤を、先輩の心の声を通じてリアルに描写した。
ムービーでは、「勇気を出した先にあるご褒美」として「ザ・プレミアム・モルツ」を提示。映像内にインフルエンサーを起用することで自然な形で話題化を図り、ブランドイメージの向上を目指したという。
驚異的な反響を呼び、視聴数は2000万回を超え、総インプレッションは約4700万以上を達成した。
審査員のYouTubeクリエイターの小田切ヒロ氏は「この動画は、まさに現在の社会現象を的確に捉えた作品」と指摘。生活者の多くは、上司と部下の関係性において悩みを抱えており、その関係性の変化に戸惑っている人も少なくない。そうした背景の中で、「この動画には商品とともに、明日から使えるような処世術や人間関係のヒントがしっかりと組み込まれている」と評価した。
