誰にとっても自分のことだと感じられる表現を
dentsu Japanは6月5日、6月のプライド月間に合わせ、広告の制作者向けにLGBTQ+に関わる広告表現のヒントをまとめたガイドブック「広告とLGBTQ+」の電子版の無償公開を始めた。
近年ではLGBTQ+をメインターゲットにした製品やサービスも登場し、LGBTQ+をテーマにした企業の広告や発信も増加。LGBTQ+の存在や声にきちんと向き合い、広告表現や制作現場にも反映させていく姿勢が問われるようになってきた。こうした背景もあり、本ガイドブックはよりインクルーシブでポジティブな広告制作を考えるきっかけとして企画された。
「広告とLGBTQ+」ダウンロードページ
「共感を生むストーリー」の項目では、LGBTQ+を尊重する広告にはさまざまな目的があるからこそ、ゴールを定め、ターゲットを明確にすることが重要だと説明。LGBTQ+が広告の受け手側なのか、メインターゲットなのか、社会啓発をしたいのかなど、目的によって配慮すべき点や対応範囲も変わるとしている。
「コピーライティング」については「彼氏・彼女」を「恋人・パートナー」と置き換えるように、ジェンダーや家族関係に依存しない言葉を意識的に選ぶことが大切だと説明している。誰にとっても自分のことだと感じられる表現を使うことで伝わり方に大きな違いがでてくるという。
「多様性を力に変えるデザイン」では、無意識の偏見やステレオタイプは一部の人を遠ざけてしまうことがあると指摘。これまで広告やメディアの中でいないことにされたり、笑いのネタとして扱われたりしていたLGBTQ+の人たちが、自分もターゲットだと思えるインクルーシブなデザインが必要だと述べている。
この他にもキャスティングのポイントや制作環境、フィードバックで考えるべきポイントなど、日々の現場で多様な視点を取り入れやすくなるよう実践的なヒントやアドバイスが内包されている。
プライド月間に合わせ各社がイベントやキャンペーンを開催
ファミリーマートは6月3日、コカ・コーラ ボトラーズジャパン、チェリオジャパン、クリートと共同で「We are “Rainbow”」をテーマにキャンペーンを企画し、全国のファミリーマートで実施すると発表。性の多様性やLGBTQ等を意味するレインボーカラーデザインの商品を発売するほか、対象商品を購入すると、キャンペーンビジュアルのステッカーをプレゼントする。
ライフガードやファミチキなどの商品がレインボーカラーデザインに。
