6月6日夜より、大阪・関西万博会場に隣接する物流倉庫の壁面を活用した大規模プロジェクションマッピング「MEGA CANVAS」が一般公開される。
プロジェクションマッピングのイメージ。
本プロジェクトは、関西イノベーションセンターと大阪府の共催によるもの。大阪・関西万博の理念である『いのちかがやく未来社会のデザイン』および『共創による未来社会の実現』に呼応し行政・企業・クリエイターが連携するという、共創型のプロジェクトだ。
プロジェクションマッピングに用いられるのは、2025年大阪・関西万博の東ゲートすぐ隣に位置する、横浜冷凍(ヨコレイ)の夢洲物流センター西側の壁面。縦約10メートル×横約130メートルの巨大壁面をスクリーンに見立て、パナソニックの協力のもと、世界最高輝度5万ルーメンのプロジェクター5台を用いて映像を投映する。
同物流センターにはヨコレイのロゴも大きく掲示されており、SNS上では一部で「ヨコレイパビリオン」とも呼ばれ、万博来場者の間でも注目を集めていた。
コンテンツのプロデュースにはクリエイティブエージェンシーのカクシンとネイキッドが参画。このほか読売新聞大阪本社等、複数の企業が連携する。
投影コンテンツは「時間」「地域」「夢」「笑顔」「文化」の5つのテーマに沿って構成され、光と映像を通じて、万博来場者に新たな体験価値を提供する。
公道を跨いだプロジェクションマッピングの課題
本プロジェクションマッピングの特徴は、公道を跨いで実施される点にある。これは大阪では初の取り組みであり、景観保全や交通安全といった観点から複数の課題があったという。
関西イノベーションセンター チームリーダー・益子泰岳氏によると、企画構想がスタートしたのは2024年5月頃。ヨコレイとは早期から交渉を重ね、実現に至った。
「技術的には問題なかったものの、公道を跨ぐことで生じる景観や交通安全への配慮が大きな課題でした。他地域での事例も参考にしながら、一つひとつ丁寧に解消していきました」(益子氏)。
また、条例や立地の制約により現時点では音声演出が不可となっているが、「今後、音の演出を可能にする方向で調整を進めていきたい」とも語る。
万博会場と物流センターの間には、港区・南港・北港連絡線がはしる。