電車内や駅構内に掲出されている、「歩きスマホ」を啓発する電気通信事業者協会(TCA)の広告。黄色い背景に黒字で書かれた「やめましょう、歩きスマホ」「ぶつかった、とあなたは思う。ぶつかってきた、と周りは思う。」「目の前の人をよけるより、大事なことってなんですか?」といった新たな視座を提示するコピーに、目を留めたことのある人も多いだろう。
そんな広告とサントリー食品インターナショナルの「特茶」がタイアップした交通広告が、6月2日から都内で掲出されている。
6月2日から15日までは首都圏のJR各線のドア横で、9日から15日までは東京駅階段集中貼り、東京駅京葉線通路にて、さらに9日〜22日までは東京メトロ駅構内などで掲出中。
一見いつもの啓発広告かと思いきや、その右側にはそっくりなデザインの「特茶」の広告が。「やりましょう、歩き特茶。」をメインコピーに、「歩きスマホ」ならぬ「歩き特茶」を訴求する内容だ。ちなみに「歩き特茶」とは、歩きながら「特茶」を飲むことではなく、歩く際に「特茶」を携帯することを意図しているという。
サントリー食品インターナショナルの小國愛実氏は「通勤、買い物、ちょっとした移動。日常の中で人は意外と歩いています。そんな時間こそ、スマホを見て下を向くのはやめて、折角なら特茶と共に前を向いて歩きませんか? という提案を込めました」と話す。
「特茶」は、2023年から展開しているCMシリーズ「特茶研究所」で、「飲用開始から8週目以降に体脂肪の低減が認められた」という“エビデンス”を打ち出してきた。今回、新たに発表された“新エビデンス”では、飲用に加えて一定量の歩行を行うことで、より高い体脂肪減少効果が期待できるとされている。こうした背景もあり、「歩き特茶」をを打ち出すことになった。
企画をした博報堂ケトルのプラナー
綾部守人氏は「スマホと歩けば危険でも、特茶と歩けば健康的。事故にあう人が減って、健康になる人が増えてほしいと思い企画しました。ありがたいことにTCAの皆さまに共感していただき、実現できました」とコメントしている。
デザインをほぼそのまま採用した理由については、「歩きスマホの広告は、全体が黄色くて目立つし、コピーが際立っているし、広告としてのインパクトがすごい。だからこそ、デザインやコピー構造を可能な限り真似して、そのパワーに相乗りさせていただきました」とSIGNINGのクリエイティブディレクター
谷脇太郎氏。
「やめましょう、歩きスマホ。」啓発キャンペーンは、TCAが2014年にスタート。以降毎年続いており、企画やコピーは博報堂の井口雄大氏が手がけている。

【参照】
スタッフリスト
企画制作
博報堂+SIGNING+TBWA\HAKUHODO+博報堂ケトル+ギークピクチュアズ
CD+C
谷脇太郎
CD
関谷アネーロ拓巳
企画
綾部守人
C | 安達岳 | |
AD | 小杉幸一 | |
D | 青山 清祐 | |
Pr(I) | 塚本健太郎 | |
PM(I) | 仙波実 | |
I | John Danon | |
AE | 田中淳一、山鹿詩織、杉山将太朗、張蘊瑶、西紗綾、凌智寛 | |
掲出写真 | ||
Pr | 見黒広太 | |
撮影 | 小澤塁 | |
電気通信事業者協会「歩きスマホ」啓発広告制作 | ||
CD+C | 井口雄大 | |
CD | 永井貴浩 | |
AD | 後藤大、日髙李衣子、宮崎琢也 | |
AE | 赤井圭、長谷川純一、鈴木崚平、新開奏斗 |