吉野家は、2025年3月から「吉野家でごはんしよ♪」をキャッチフレーズに掲げたCMを開始。牛プルコギ「甘濃い誘惑」篇、親子丼・から揚げ親子丼「罪深き出会い」篇に続き、6月6日に牛皿麦とろ御膳「夏を告げる無限ループ」篇のCMのオンエアを開始、公式YouTubeで公開した。
「吉野家でごはんしよ♪」を掲げたCMはシズル感満載の調理シーンや料理が登場、食材に合わせたデザインのタイポグラフィーが楽しく彩る。従来の吉野家のCMよりグラフィカルな印象だ。
「吉野家は認知率98%のブランドですが、昔食べたが最近食べていない方もいらっしゃる。そこでZ世代、ご家族までが興味が惹かれるクリエイティブで、吉野家の『うまい、やすい、はやい』の‟うまいを新しい表現で追求してください”とお願いしました」と、同社CMO田中安人氏。
同社がクリエイティブチームに唯一お願いしたのは、「美味しいものを、より美味しそうに」ということ。そして、同社のスタンスとして、制作するクリエイティブチームにすべて任せることにしたという。
「ご一緒すると決めた限りはクリエイターの力を最大限発揮していただくために、そしてクリエイティブパワーを信じているからこそ”任せる”というスタンスです」( 田中安人氏 )
同社からのこうした依頼を受けて、電通・GOを経て独立したビジネスプロデューサーの田中陽樹氏はアートディレクター/クリエイティブディレクターである小杉幸一氏とタッグを組んだ。小杉氏は「『うまい、やすい、はやい』というブランド価値は時代を超えて残ってますが、より現代にアップデートした伝え方が必要だと思いました」と話す。
同社ならではの明確なメッセージとビジュアルアイデンティティをもっと残したいと考え、商品広告でありながら、ブランド広告としての吉野家コミュニケーション人格の確立、明確化を目指したという。
「従来の印象として、企業ブランドを人格で例えるなら、吉野家は『男性的』。もっと、時代に合わせた『多様性』を許容してくれるプラットフォームとしての企業人格をデザインすることが重要だと思いました」(小杉氏)
新しいCMシリーズには、これまでのブランドキャラクターである藤田ニコルさんが登場しているが、その表現は大きな変化を遂げた。「商品シズル」を視覚的なシズル映像と擬音語で表現したフードエンターテインメントを展開しているのだ。
「行動を喚起するコピー『吉野家でごはんしよ♪』と、モノで閉じずコトのブランディングを確立させました。さらに、映像で使うフォントはあえて同じものを使わず、『多様性』や『エンタメ性』を視覚化したコミュニケーション人格に設定。コミュニケーションルールも確立しました」(小杉氏)
新しいCMシリーズに対する顧客の反響は非常に好調。SNSでは「CMを見て食べたくなった」などの声が寄せられ、売上にも反映されている。本シリーズは今後も続く予定だ。
スタッフリスト
企画制作
onehappy+Headlight+上田家
CD、AD
小杉幸一
C | 小山佳奈 |
BP | 田中陽樹、木谷謙介 |
CPr | 鳥居太郎 |
Pr | 麻生峻司 |
PM | 佐藤真也 |
演出 | 舟越響子 |
撮影 | 三代史子 |
照明 | みやきしんいち |
D | 花崎綾子 |
ST | 四本優子 |
ST | 浜木沙友里 |
HM | 福岡玲衣 |
クッキングST | 左近充英子 |
編集 | 小林真理(オフライン)、泉陽子(オンライン) |
音楽 | 緑川徹 |
