博報堂は6月19日、法人・個人向けにビジネス研修プログラムなどを提供するMOTIVATED(モチベーテッド)に出資したと発表した (出資比率は非公表)。
MOTIVATEDは「成長と自立の基盤をつくる」をテーマに掲げ、実務で通用するスキルセット習得のための各種研修プログラムを提供。その過程で優れた人材を発掘・スカウトし、大企業の事業部や中小企業・スタートアップなどのクライアントワークで活躍の場を創出する。「リスキリング事業」「エージェンシー事業」の2つの事業に人材を循環させる事業モデルを構築している。
同社の前身は、博報堂ミライデザイン事業ユニットで2021年より展開した「TOOL PROJECT」(AIやノーコードツールを活用して個人のスキルを強化・拡張し、働き方の可能性を広げる教育プロジェクト。これまで1400名の受講者を輩出)で、本プロジェクトをスピンオフする形で2024年11月に設立した。
代表取締役の大倉誠一氏は新卒で博報堂入社。クリエイティブディレクター/コピーライターとして国内外の主要クライアントのブランディングや統合コミュニケーションを手掛け、NYフェスティバル(2003)、TCC(2005)、カンヌライオンズ(2008-2011)などで受賞を重ねた。その後2012年に渡米し、サンフランシスコのUXストラテジー&デザインファームCooper社(現・Designit)でUX/UIデザイナーに転身した経歴を持つ。新規事業開発支援チームを立ち上げ、BizDev(ビジネスデベロップメント)/PdM(プロダクト開発マネージャー)としてクライアントの新規事業・プロダクトを担当。帰国後、博報堂ミライデザイン事業ユニットで「TOOL PROJECT」を担当し、人に成長と変化をもたらす教育事業のポテンシャルを実感し、MOTIVATEDの創業に至っている。
大倉氏は今回の出資に当たり、「広告会社の出自で新たな事業を作ることにチャレンジする。広告自体がシュリンクしていく現状の中で、広告会社からどんな新しいチャンスを生み出せるのか、それを体現するような存在になっていきたい」とコメントしている。
今回の出資により、博報堂ではMOTIVATEDが保有する各種研修プログラムや多様な専門家の人材プールの活用が可能となる。今後、新規事業のローンチ・グロース支援の加速につなげていくという。
