失敗しないマーケティングの外注イロハ

ぼられない、だまされない、はめられないための発注リテラシー

受注側の電通を10年以上勤めた私が、発注側の事業会社に転職し、様々なマーケティングの受託企業と接する中で、感じていることがあります。元同業者なので、少々厳しい視点があることを差し引いても、「こんな低レベルが許されるのか」と絶句するような、期待はずれの業者(人)に当たってしまったことも一度や二度ではありません。

「おたくみたいな会社がいるから、業界の風評が悪くなるんだよ」、と心の中で悪態をついていました。今回のコラムでは、どうすればこの「ハズレを引く」という惨事から逃れられるかに想いを巡らせたいと思います。まずは、次に挙げる2つの前提を押さえましょう。

第1の前提としては、【発注者と受注者の利害は不一致である】という認識に立つところからかと存じます。

私たち発注側は株主・雇用主に対して出来る限り安く効果的なサービス(マーケティング等)を調達し、資本効率を追求する責務を負っています。これを怠り、悪質な場合は背任行為となってしまう可能性もあります。

一方、受注側は原価(投下時間・手間暇・再委託費・仕入等)を最小化しつつ、請求金額を最大化することで利益も最大化する責務を株主・雇用主に負います。

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蓮村俊彰(住友商事 自動車流通DXユニット データドリブンマーケティングリーダー)
蓮村俊彰(住友商事 自動車流通DXユニット データドリブンマーケティングリーダー)

2008年慶應義塾大学環境情報学部卒 バックパッカーや学生起業を経て電通入社。大手光学機器、物流、重工業クライアントなどを担当した後、2011年、社内新規事業コンテストへの2期連続入賞を経て新規事業開発関連部署へ。民間、官公庁、NPO/NGOなどさまざまなクライアントの幅広いマーケティングや、スタートアップ投資・グロースアップ支援を行う「FINOLAB」の構想、設立に従事。2019年住友商事に転職し、ハードウェア・ロボティクス系スタートアップへの出資・グロース支援「HAX Tokyo」の立ち上げ・運営や量子コンピューターを用いた事業開発「Quantum Transformation “QX” Project」にて広義のマーケティングを担当。2024年より現職、自動車流通販売SBUにてデータドリブンマーケティングを推進。本業以外に東北大学大学院情報科学研究科 特任准教授(客員)や大阪キリスト教短期大学客員教授を歴任した他、すばる舎より『それでも今の居場所でいいですか?』を出版したほか、クーリエ・ジャポンやBiz/Zineで連載を持つなど、多岐にわたり活動している。

蓮村俊彰(住友商事 自動車流通DXユニット データドリブンマーケティングリーダー)

2008年慶應義塾大学環境情報学部卒 バックパッカーや学生起業を経て電通入社。大手光学機器、物流、重工業クライアントなどを担当した後、2011年、社内新規事業コンテストへの2期連続入賞を経て新規事業開発関連部署へ。民間、官公庁、NPO/NGOなどさまざまなクライアントの幅広いマーケティングや、スタートアップ投資・グロースアップ支援を行う「FINOLAB」の構想、設立に従事。2019年住友商事に転職し、ハードウェア・ロボティクス系スタートアップへの出資・グロース支援「HAX Tokyo」の立ち上げ・運営や量子コンピューターを用いた事業開発「Quantum Transformation “QX” Project」にて広義のマーケティングを担当。2024年より現職、自動車流通販売SBUにてデータドリブンマーケティングを推進。本業以外に東北大学大学院情報科学研究科 特任准教授(客員)や大阪キリスト教短期大学客員教授を歴任した他、すばる舎より『それでも今の居場所でいいですか?』を出版したほか、クーリエ・ジャポンやBiz/Zineで連載を持つなど、多岐にわたり活動している。

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