森美術館(東京・港区六本木)は7月2日から「藤本壮介の建築:原初・未来・森」を開催している。会期は11月9日まで。
前列左から2番目が藤本壮介氏。
建築家の藤本壮介氏は、東京とパリ、深センに設計事務所を構え、個人住宅から大学、商業施設、ホテル、複合施設まで、世界各地で様々なプロジェクトを展開。直近では大阪・関西万博の「大屋根リング」も大きな話題となっている。
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本展は藤本氏にとって初の大規模個展。活動初期から世界各地で現在進行中のプロジェクトについて8セクションで構成されており、約30年にわたる歩みや建築的特徴・思想を概観できる。
多忙を極める藤本氏だが、「個展の準備を通して、自分が今まで何をやってきて、何をやろうとしているのかを深く考えさせられた素晴らしい機会でした」とコメント。活動初期から人の多様性をリスペクトしながら、それらが共存する場所の創出を目的としてきた藤本氏。故郷である北海道の森からインスピレーションを受け、“森”は多様性を受け止める場になりうるのではないかと考えたという。会場自体も、単なる作品展示ではなく、森と彷彿させるような空間づくりが随所に見られる。
セクション1「思考の森」と藤本氏。空間全体に作品模型やモチーフがちりばめられており、模型の“森”を想起させる。
例えば、セクション1では「思考の森」と題して活動初期から現在計画中のものまで、116の作品模型が展示されており、時系列順に活動を振り返ることができる。
サーペンタイン・ギャラリー・パビリオン2013(ロンドン)の模型。上部には現地の写真も展示。