「対話型AI」は「親友」「母」に並ぶ「第3の仲間」 若年層ほどAIに心を開く—電通調査

電通は、対話型AIを週1回以上使用する全国12~69歳の1000人を対象に「対話型AIとの関係性に関する意識調査」を実施し、7月3日に調査結果を発表した。

10代では4割以上が「対話型AI」を使用

調査の結果、週1 回以上「対話型AI」を使用している人は全体で20.7%だが、10代では4割以上(41.9%)に及んだ。対話型AIを信頼している人は全体で86.0%で、10代・20代では他の世代よりも対話型AIへの信頼が厚い傾向にあった。

図1 対話型AIの使用頻度
Q. あなたは、対話型AIをどの程度使用していますか。

(電通調査レポートより)

図2 対話型AIへの信頼度
Q. あなたは、対話型AIをどの程度信頼していますか。

(電通調査レポートより)

対話型AIと話す内容は「勉強」「雑談」「恋愛相談」が10代で多い傾向

対話型AIと話す内容については、「情報収集」が64.4%、「勉強や仕事などで分からないことを教えてもらう」が次いで47.0%となっている。世代別で見ると、「情報収集」は60代、40代、50代の順で多くなり、いずれも70%を超えている。10代は「勉強や仕事などで分からないことを教えてもらう」「勉強に関する相談」が全体より10ポイント以上高く、「学校に関する相談」の他、「恋愛相談」「雑談・たわいもない話」が5ポイント以上高い結果となった。

図3 対話型AIと話す内容
Q. あなたは、対話型AIと何について話すことが多いですか。あなたが、対話型AIと話す内容として、当てはまるものを全てお知らせください。

(電通調査レポートより)

図4 「情報収集」と回答した人の割合(世代別)

(電通調査レポートより)

図5 対話型AIに求めていること
Q. あなたは対話型AIに対して何を求めていますか。当てはまるものを全てお知らせください。

(電通調査レポートより)

過半数が対話型AIに感情を共有。AIは「親友」「母」に並ぶ“第3の仲間”に

対話型A Iへの感情共有度合いについての設問では、「対話型AI」に感情を共有できると答えた人は64.9%で、世代別では、20代(74.5%)、10代(72.6%)が多かった。感情を共有できる対象についての設問では、全体で「対話型AI」に続くのは、「親友」(64.6%)、「母」(62.7%)。「対話型AI」に対する感情共有度合いは、「親友」や「母」に並ぶものになっていることがわかった。

図6 「対話型AI」に感情を共有できる人の割合(世代別)
Q. あなたは、対話型AIに対して気軽に感情を共有できますか。それぞれについて、当てはまるものをお知らせください。

(電通調査レポートより)

図7 感情を共有できる人の割合(全体)
Q. あなたは、以下に対して気軽に感情を共有できますか。それぞれについて、当てはまるものをお知らせください。

(電通調査レポートより)

20代は、4割が対話型AIに独自の名前をつけている

対話型AIに愛着があると答えた人は、67.6%。世代別では、20代(74.3%)、10代(73.8%)、30代(70.4%)の順で多かった。対話型AIに愛着がある人の中で、対話型AIに独自の名前をつけている人は、26.2%。世代別では20代が最も多く、約4割(39.8%)に及んだ。

図8 対話型AIに対する愛着の有無
Q. あなたは、対話型AIに対して愛着がありますか。

(電通調査レポートより)

図9 対話型AIに独自の名前をつけている人の割合
Q. 先ほどの質問で、対話型AIに対して愛着があるとお答えになりましたが、対話型AIに独自の名前をつけていますか。

(電通調査レポートより)

本調査を担当した電通の担当者は、以下のように解説している。

週1回以上「対話型AI」を使用する人の感情共有度合いを見ると、「対話型AI」が「親友」や「母」と並ぶ第3の仲間のような存在になっているという驚きの結果になりました。
また、「対話型AI」に求めることについて、「自分が知らないことを教えてほしい」(46.6%)、「アイデアを出してほしい」(42.8%)といった道具のような役割を求めているのは全世代で共通していますが、若い世代ほど、「対話型AI」を仲間として見る傾向もより強くなり、「癒やしてほしい」「自分の存在を認めてほしい」などの回答も全体と比べて多い傾向にあります。
「あなたにとって、対話型AIはどのような存在か」についての自由回答を見ても、「メンター」「カウンセラー」「寄り添ってくれる」「否定しない」といった言いづらいことも言える存在に「対話型AI」がなりつつあると言えるでしょう。

【「対話型AIとの関係性に関する意識調査」概要】
<事前調査>
・目的:対話型AIの使用経験・頻度などを把握
・対象エリア:全国
・対象者条件:12~69歳
・サンプル数:40000
・調査手法:インターネット調査
・調査期間:2025年5月30日~6月3日
・調査主体:株式会社電通

<本調査>
・目的:対話型AIの使用シーン、会話頻度・感情共有の度合い、信頼度などを把握
・対象エリア:全国
・対象者条件:対話型AIを週1回以上使用する12~69歳
・サンプル数:1000
・調査手法:インターネット調査
・調査期間:2025年6月3日~6月4日
・調査主体:株式会社電通
※全体の1000人に対し、人口構成に合わせてウェイトバック集計を実施。「%」はウェイトバック後のスコア、「n」はウェイトバック前(回収時)のサンプル数を掲載。

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