※本記事では8月1日発売、『広報会議』2025年9月号の特集企画「社内コミュニケーション 従業員の主体性を引き出し組織の力を高める」に掲載している記事をお届けします。
大阪・関西万博の「鳥取県ゾーン」と「ナウルパビリオン」は6月30日、「サンド・アライアンス」を締結。協定締結式を実施した。本同盟は「砂」に関連するパビリオン同士で万博を盛り上げていくため、鳥取県が始動した取り組みであり、ナウルパビリオンはヨルダン館、サウジアラビア王国館に次ぐ3カ国目の加入となる。
鳥取県とナウル共和国のつながりは、2021年のSNS上での交流からスタート。鳥取県の平井伸治知事の「スタバはないけどスナバはある」というダジャレを、ナウル共和国のX(当時はTwitter)が真似して投稿。両者が“砂”に縁があることから「すなうる共和国連合」結成を呼びかけるなどのやり取りをしていた。
万博開始直後には、ナウルパビリオンに展示物が置かれていない台座があることが話題に。鳥取県がその台座に鳥取の砂でつくったミャクミャクを展示し「サンド・アライアンス」への加盟をSNS上で勧誘し、賛同を得たことで本同盟の締結に至った。また、6月2日にはナウル共和国のXのフォロワーが鳥取県民人口52万6338人に到達。鳥取県のアカウントが祝う様子も見られた。
ナウル共和国・本国から配送された展示物が到着せず、台座が空いた状態で万博がスタート。ナウル共和国はSNSで「心が綺麗な人は台の上の展示物が見えるはずです」と投稿して注目を集めた。その後、鳥取県がその台座に鳥取の砂でつくったミャクミャクを展示。多くの来場者が空の台座や砂のミャクミャク像を撮影し、SNSにアップした。サンド・アライアンス調印後には、鳥取県産クロマグロとナウル産キハダマグロの模型を一時的に展示する「鳥取県が得意とする“のっとり”による電撃的なPR作戦」も実行した。
Q.SNSを活用している目的は?
鳥取県
:当県では以前から複数のアカウントを運用していますが、このアカウントは大阪・関西万博の開催を機に立ち上げました。目的は鳥取県の魅力を多くの人に知っていただくこと。職員の中から若手を20名ほど集めてチームをつくって運用しています。若い職員ならではの視点で投稿を考えてほしいという思いと、「発信する意識」を持った職員を育成したいという考えから、この体制をとっています。自治体では、日々の業務で情報発信に携わるメンバーは多くありません。しかし、鳥取県の魅力をより多くの人に伝えていくためには、全員に発信意識が必要です。万博を好機ととらえ、チームメンバーに現地に来てもらい、各パビリオンと交渉をしながら投稿ネタを見つけてもらっています。


