スポーツチームと地域と人が合流「小さな交差点」から見える未来

「合流」事例が続々と誕生

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湘南ベルマーレフットサルクラブが掲げる「合流」という思想は、単なるスローガンではなく、価値が交差し合うための構造的な問いかけです。

前回のコラム

では、その設計思想と参加構造について、「支援と受援」の関係を超える共創のあり方としてお伝えしました。

今回はその続編として、この「合流」という考え方が、実際にどのような現場で立ち上がってきているのか、具体的なエピソードをいくつかご紹介したいと思います。

「問いかけ」から始まる社会課題への一歩

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「社会課題にはどんなものがあるか?」

そんな問いをSNS上に投げかけたのは、クラブの中心選手・堀内迪弥でした。多くの声が寄せられ、その中で特に多かったのが「不登校」に関する声でした。

彼はそこから自ら学び、調査を重ね、NPO法人カタリバと連携し、room-Kというオンライン支援プログラムでフットサルクリニックを実施しました。

きっかけは、たった一つの投稿でした。しかしそれは、クラブという枠を越えて、選手個人が社会とつながり始めた重要な瞬間でもありました。

ここにも「合流」があります。個人と社会の接点が、スポーツという手段を通じて形になったのです。

「合流」が生んだ仲間たち——クラブを形づくるスタッフ

湘南ベルマーレフットサルクラブでは、理念や仕組みだけでなく、それを実際に体現し、動かす「人」の存在が何より重要です。ここでは、クラブの活動に深く関わり、“合流”という思想を具現化している3人のスタッフをご紹介します。

■ 北裕貴——「競技の外」にある価値を見つめる眼差し

北さんは、大手企業でのキャリアを持つビジネスサイドの実践者でありながら、クラブの活動に合流し、いまやその中核を担う存在です。プロスポーツクラブという競技中心の環境において、「社会との接続」という視点を持ち込んでくれた北さんの存在は、クラブが“競技のためのクラブ”から、“社会の一部としてのクラブ”へと進化する転機をつくりました。

異なる視座や感性がクラブに加わったことで、私たちは新たな問いと向き合うようになり、物事の構造をより多層的に捉えられるようになりました。北さんの合流は、「スポーツと社会の交差点」を実装するきっかけの一つです。

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「ゼブラ企業」への挑戦~地域と共存、湘南ベルマーレフットサルクラブの戦略
佐藤伸也(湘南ベルマーレフットサルクラブ 代表取締役社長)

1977年神奈川県藤沢市生まれ。2007年フットサル施設の運営会社起業と同時に、湘南ベルマーレフットサルクラブのGMに就任し、Fリーグ開幕初年度を迎える。2022年4月より同社代表取締役社長。スポーツ庁主催イノベーションリーグ大賞受賞。小田原市など8自治体との包括連携協定を締結しゼブラ事業を推進する。

佐藤伸也(湘南ベルマーレフットサルクラブ 代表取締役社長)

1977年神奈川県藤沢市生まれ。2007年フットサル施設の運営会社起業と同時に、湘南ベルマーレフットサルクラブのGMに就任し、Fリーグ開幕初年度を迎える。2022年4月より同社代表取締役社長。スポーツ庁主催イノベーションリーグ大賞受賞。小田原市など8自治体との包括連携協定を締結しゼブラ事業を推進する。

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