佐賀県「サガプライズ!」の舞台裏——コラボで話題を全国に広げ、地元へ還元する好循環を実現

佐賀県は、コラボを通じた情報発信プロジェクト「サガプライズ!」を継続して実施しています。ゲームなどのIPコンテンツとのコラボをどのような考えで実現させているのでしょうか。佐賀県 広報広聴課長の金子 暖氏が解説します。
※本稿は『広報会議』2025年11月号「地域活性のプロが指南」を転載しています。
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文/佐賀県 広報広聴課長 金子 暖氏

かねこ・だん 大手アパレルメーカーを経て、2005年佐賀県入庁。2012年に首都圏エリアにおける情報発信プロジェクトの設計に携わり、「サガプライズ!」初代プロジェクトリーダーとして様々なコラボを展開。その後、文化課、観光課長を経て2023年から現職。

サガプライズ!はこれまでに40以上のコラボを実施。コラボ先と共に佐賀県コンテンツをつくり上げてきた。突き抜けた話題化を図りながら全国のファンと一緒に盛り上がり、佐賀県との接点を構築している。その特徴は、

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紹介したとおりアニメやゲームなどIPコンテンツとのコラボにある。プロジェクトが始まった約10年前、地方自治体がアニメやゲームとコラボする事例は珍しかった。

サガプライズ!の公式HPには第1弾から昨年度の第41弾までのコラボ実績が掲載されている。その中でも第3弾のスクウェア・エニックス「サガ」シリーズとの「ロマンシング佐賀」(2013年度)、第10弾の任天堂「スプラトゥーン」との「サガケーン」(2015年度)は、事業スキームを確固たるものに仕上げてくれた代表的なコラボだ。

世界観を融合する難しさ

私は当時、サガプライズ! のリーダーとしてこの2つのコラボを現場でディレクションした。自治体とゲームが組む意外性やコンテンツ・ツールのクオリティの高さが評価され、SNSやメディアで話題となり、多くのファンが佐賀を訪れた。

一方、大手ゲーム会社と地方自治体が「情報発信」というジャンルでタッグを組むことは前例がなく、最初は手探り状態でコミュニケーションも上手く図れなかった。事業目的が異なる中でゴールを設定する難しさや、両者の商品・地域資源の世界観を尊重しつつ融合する難しさに直面。どちらのコラボも約半年もの時間をかけ、佐賀県の観光資源や県産品などを並べながら、「どうすればゲームの世界観と融合できるか」を徹底的に議論し続けた。

イカつながりでコラボ実現

「Splatoon(スプラトゥーン)」と「Sagaken(佐賀県)」の頭文字「S」を重ねたコラボ「Sagakeen(サガケーン)」は、2015年のゲーム発売直後、サガプライズ! メンバーが偶然ゲーム売り場で目にした「お客様の熱気」が始まりだった。京都の任天堂本社にも足を運び、両者にとってベストなゴールになるよう何度も協議を重ねて実現した企画である。

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