一貫したブランド体験を提供するウェブサイト制作の3ステップ

製品やサービスがコモディティ化する時代、ユーザーの「ブランド体験」は、企業が選ばれる大きな要因となる。抽象的になりがちなブランドの価値観やコンセプトを、ウェブサイトなどのコンテンツに落とし込む手法を解説する。

市場の同質化が進むいま、企業が独自の価値を伝え、顧客に選ばれ続けるには「ブランド戦略」が欠かせない。しかし、その重要性を認識しながらも、戦略の策定や実行に踏み切れていない企業も多い。

デジタル領域での戦略策定やウェブ制作を支援するアクアリングに相談に訪れるクライアントにも、ブランド戦略の策定やブランドを体現するウェブサイトの設計について悩みを抱える企業が多いと同社ディレクターの宮崎アツム氏は話す。

これらの課題を解決し、「ブランドコンセプト」という抽象的表現をウェブサイトに落とし込むために、同社ではの3つのステップでウェブサイトを制作。サイトを通じてユーザーのブランド体験を生み出している。

図 ブランドコンセプトをウェブサイトで表現する3ステップ

図 ブランドコンセプトをウェブサイトで表現する3ステップ

一貫したブランド体験を創出

ステップ①では、ブランドを人間に見立てて「人格」を定義。人格化することで、ブランドの振る舞いや「言葉・表現」などのコミュニケーションが明確になる。宮崎氏はこのステップを「ブランドの価値観」を「具体的な振る舞い」に変換する作業と表現する。

ステップ②では、ステップ1で定めた人格をもとにブランドの「体験価値」を定義していく。「体験コンセプト(体験価値)を定義するためには、①ユーザーに提供する体験の内容(WHAT)、②その体験をどのような手段やプロセスで実現するか(HOW)、という2点を整理する必要があります。例えば、①を『信頼できる友人のように親身に伝える体験』とするのであれば、②は、『複雑な説明は図解を多めにする』『チャット風にしたFAQデザイン』『話者の顔が見えるようにする(写真を使用する)』などの方法が考えられます」と宮崎氏は説明する。

そして最後のステップ③では、体験を一貫して届ける仕組みを構築。「デザイン=体験価値を見た目で実現」と「コンテンツ=体験価値を情報で実現」の2つの要素に分け、両面で体験を設計していく。

デザイン面では、言葉づかいやUIなどの基本指針(デザインプリンシプル)を定めたのち、ガイドライン、コンポーネント(UIパーツ)、ルールなどを体系的にまとめた「デザインシステム」を制作。初期の段階で汎用性のあるデザインシステムをつくることで、将来的にメディアの数が増えた場合なども、効率的にブランドの世界観を表現できる。
コンテンツ面では、会社の歴史や理念など「企業の伝えたいこと」ではなく、「ユーザーが知りたいこと」に応える視点で戦略・設計を考えることが重要だと強調する。

ウェブサイトは企業とユーザーとの最初の接点となるケースも多く、ここでの体験がブランド価値を左右する。体系立てた設計を通じて、自社の魅力を効果的に伝えることが、競争力の向上につながる。

advertimes_endmark

avatar

宮崎アツム氏

サービスデザイングループ ディレクター/UXデザイナー

お問い合わせ

株式会社アクアリング

https://www.aquaring.co.jp/
〒460-0008 愛知県名古屋市中区栄3-19-8 栄ミナミ平和ビル6、7階
TEL:052-249-7700
MAIL:customer-success@aquaring.co.jp


この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

この記事を読んだ方におススメの記事

    タイアップ