マイナビは、新WEB CM「夏が終わった。未来がはじまった。」を10月21日に公式YouTubeで公開した。
物語は、高校最後の夏のバレー大会を終え、帰り道を歩く2人の姿から始まる。引退後、時間を持て余すソウタ(黒川想矢)に対し、カイト(染谷隼生)は「パティシエになりたい」という夢を打ち明け、卒業後は東京へ行くことを告げる。その驚きと寂しさの中で、大学進学を志すソウタは自分に明確な夢がないことに迷い始める。季節が秋から冬へと移り変わる中、推薦や就職、アルバイトなど、クラスメイトがそれぞれの道へ進み始める姿が描かれます。登校する人数が減り、教室の静けさが増していく中で、不安を募らせるソウタ。しかし親友カイトの「迷いも不安も焦りも、全部抱えて進んでいる。みんな一緒だよ」という言葉を思い出し、ソウタは迷いを振り払い、机に向かう。そして時は進み、迎えた卒業式。誰もいなくなった教室で2人きり。そこでソウタは「俺も悩みながら進んでみるよ」と初めて自分の言葉で決意を伝える。
進路の選択を迎える高校3年生の親友2人の関係性をベースにしながら、夏が終わり秋から徐々に訪れる “静かな寂しさ”と“未来へ歩き出す決意”という感情を繊細に描いたブランドムービー。その主演を務めたのは、映画『国宝』『怪物』など数多くの作品に出演している黒川想矢さんだ。そして監督は、『ぼくのお日さま』でカンヌ映画祭「ある視点」部門に日本人監督最年少でノミネートした奥山大史さんが務めた。
本作の企画の始まりを、クリエイティブディレクター 原口亮太氏は次のように話す。
「クライアントからは動画や尺の指定など具体的なオリエンがあったわけではなく、あくまで『マイナビがあなたのキャリアに寄り添う存在』ということを共感を持って伝えていく施策として話し合い、考えていきました」
同社では、2025年に相葉雅紀さん、有村架純さん出演のブランドCMも開始しているが、こちらは全世代向けであり、今回のムービーは特に高校生たちに向けてつくったという。
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そこで、原口氏をはじめとするクリエイティブチームでは、学生の進路のリアルから考えて企画を始めた。そのポイントは3つある。
- 実体験の深掘り
- 夢を持つことを強制しすぎない
- 進路の多様性のリアル
一つ目の「実体験の深掘り」は、「部活引退後の夏から秋にかけ、一気に周りが次に進み出す時の寂しさ。ふざけ合っていたチームメイトが、急に進路を決めてその真剣さに驚く瞬間。一緒に授業受けていたクラスみんなが、冬にかけてゆっくり空中分解する感じなど思い出しながら、考えていきました」。
二つ目の「夢を持つことを強制しすぎない」については、「夢や目標があることは素晴らしいですが、あまりに社会がそれを強制しすぎている。それは学校であり先生であり大人。そこに警鐘を鳴らす書籍なども読みながら、いま現時点で夢がない子やとりあえずで進学していく子にこそ、優しく寄り添える映像を考えました」。
三つ目の「進路の多様性のリアル」は、クライアントからのアイデアを企画に活かした。
「『大学や専門への進学だけでなく、高校卒業してすぐ就職する人や、就職せずバイトしながら次の夢にチャレンジする人など、多様な高校生がいる』という話。それは都内や進学校だけの視点では見えてこない、全国に展開して、そのリアリティを知っているマイナビさんだからこその視点でした。受験応援CMは世に数多くあるが、大学進学だけでなく、全ての高校生たちの進路に寄り添えるマイナビブランドらしい映像を考えていくことができました」
これらを踏まえて、企画コンテで設定・台詞を作っていき、その上で、奥山監督と具体的なかたちをつくりあげていった。
特に大事にしたのは、親友の台詞だ。
「周りが次に進み出す中で、自分だけが進めていないと焦る高校生にどんな言葉をかけてあげられるか、それを考えて考えて考えて、言葉にしました。不安や焦りや迷いなど、それらを常に抱えながらも次に進んでいく、その1点において、あらゆる人同士が分かり合える、共感できるのでは」
移ろいをリアルに表現するため、奥山監督は陽の高さや光の角度まで計算し、制服の着こなしや小道具の変化など細部にわたって演出を重ねた。登校する生徒の人数を少しずつ減らしながら、同じアングルで何度も撮影を繰り返すことで、「卒業へ向かう時間の流れ」を丁寧に積み上げていったという。そして、フィルムレコーディング手法を用い、エモーショナルな質感で青春の一幕を描いている。
「奥山監督の素晴らしい演出に昇華してもらい、丁寧に1つ1つの映像が紡がれていきました」
今回の企画は、台詞の少ないシーンでグッと見ている人に感情移入してもらいたいと考え、主役として映画『怪物』や『国宝』で圧倒的な存在感を放ち続けている黒川想矢さんに白羽の矢を立てた。
「黒川さんの目だけで描き出されるズバ抜けた演技力や、その強い引力のような魅力がピッタリだと考え、出演をお願いしました」
CMを彩る楽曲は、20年にわたり愛され続けているレミオロメンの「3月9日」。それを、俳優 三浦透子さんがカバーしている。
「心細く寂しくなる別れにおいて『1人じゃない』と強いメッセージがされており、また冒頭の『流れる季節の真ん中で』という歌詞が今回描きたかった高3秋から冬にかけての急激な変化とリンクさせられると思い、楽曲依頼をしました。そして、透明感があり、心の奥を震わせる三浦さんの歌声は個人的にも大ファンです。そこに奥山監督の繊細な光の演出も加わり、想像を超える映像に仕上がったと思います」
公開から10日間で、WEB CMは300万再生に。3分を超える長尺ムービーとなる本作以外にも、30秒バージョンも公開中。

スタッフリスト
CD
原口亮太
C
大石将平
AD
浜田智子
CPR
佐藤広隆
監督・撮影
奥山大史
PR
林季彦
| PM | 畑井雛、小池紗英、代田成史、初鹿野紫月、福田泰介 |
| 助監督 | 橋本繁武 |
| 撮影チーフ | 比護富昭 |
| 撮影助手 | 本荘在右、萩原健吾 |
| DIT | 城田柾 |
| 照明 | 西ケ谷弘樹 |
| 照明チーフ | 長谷川周平 |
| 照明助手 | 田浦佐知、嶋田大一、芝貴大、菊地俊介、西田聖、安東遼介、山本遼太郎、藤本早 苗・鈴木勇二・田熊俊彦・高本和輝・青嶋洋平 |
| 美術 | 土性綾 |
| 美術進行 | 光澤真一 |
| 美術助手 | 宮内美帆・玉木清華 |
| 装飾 | 板屋越エツコ |
| 装飾部助手 | 五十嵐和美、田所幸子、横井結湖 |
| フードST | 梅澤由佳 |
| ST | 纐纈春樹 |
| HM | 寺沢ルミ |
| CAS | 阿保友理惠 |
| ロケCRD | 内山翔太 |
| 録音 | 柳田耕佑 |
| 録音助手 | 渡邉直人、家守亨 |
| ミキサー | 浜田洋輔 |
| 音響効果 | 勝亦さくら |
| 編集 | 本田吉孝(オフライン)、塚元陽大(オンライン) |
| カラリスト | 大角綾子 |
| 音楽PR | 奥原早苗 |
| 音楽 | レミオロメン「3月9日」 |
| 作詞・作曲 | 藤巻亮太 |
| 歌唱 | 三浦透子 |
| 出演 | 黒川想矢、染谷隼生、平田風果、下川恭平、山本かりん、佐々木告、上阪隼人、藤井凛人、翠優、舘伶奈、伊部丹子、大迫一平 |
| シニアアカウントディレクター | 中尾泰尚 |
| アカウントディレクター | 三村祐介・松井文 |
| AE | 伊地知航・藤崎香花 |

