株主構成の変化や投資家層の多様化を背景に、個人株主との関係構築は企業の重要な経営課題となっている。第一生命ホールディングスは、SR(シェアホルダーリレーションズ)を、バランスの取れた株主基盤構築と企業価値向上を支える基盤と捉え、同社らしさと双方向性を軸にした施策設計を進めている。
パートナーとしての個人株主
個人株主との関係構築を指す「SR(シェアホルダーリレーションズ)」は、株主構成の変化や投資家層の多様化を背景に、その重要性を高めている。第一生命ホールディングスにとっても、SRは、バランスの取れた株主基盤の構築とそれによる中長期的な企業価値向上を実現するための重要な取組みとして位置づけられている。
同社は2010年に相互会社から株式会社に組織変更を実施。上場時の個人株主は130万人を超えていたが、その大半が保険契約者として株式の割り当てを受けた株主であったこともあり、約15年を経てその数は70万人弱まで減少した。他方、外国法人等持株比率は上昇してきた。外国法人等持株比率の上昇は、市場からの評価と捉えられる一方で、株主総会における安定的な議決権確保は、以前より難しくなっているのが実情だ。
こうした構造変化を受け、同社では個人株主を増やすとともに中長期に関係を築く必要性が高まった。SRを経営課題と捉える理由は、株主数そのものではなく、企業価値を支える基盤として個人株主との関係性をどう再構築するかにある。
同社でSR活動を担う総務ユニット 経営総務グループ ラインマネジャーの齋藤信也氏は、SRを「バランスの取れた株主基盤の構築とそれによる企業価値の持続的な向上を目的とした、株主との信頼関係を築くコミュニケーション活動」と定義する。この定義には、個人株主を短期的な投資主体ではなく、「自社のパートナー」として捉える視点が込められている。誠実な情報開示と双方向の対話を通じ、最終的に「自社のファンになってもらう」ことを目指す考え方が、同社のSR戦略を貫いている。