4月。会社に新入社員が入ってくる季節です。たぶん、いま、いろいろな会社で議論になっている問いがあります。
「AIを新入社員に使わせるべきだろうか?」
これは、最初からAIに頼ってしまうと、仕事が上達しないのではないか、という懸念からだと思います。あるいは新入社員の方々からこう聞かれることもあります。
「最初からAIを使っちゃうと成長できなくなる気がして…使っていいんですかね?」
一方、「新入社員にはAIのじょうずな使い方を期待している」という声もあるかもしれません。当の新入社員からしたら、「どっちなの?」と、とまどうこともあるかもしれません。
新人とベテランで“逆転”した実験結果
以前、私は、クリエイティブ職の数十名の新入社員に対して、ある研修を行ったことがあります。まったく同じ課題に対して、2つのアプローチを試したのです。
1つ目は、まず企画を、自分で案を考え、その後AIにその案をぶつけてブラッシュアップする方法。2つ目は、最初からAIに指示を出して、(自分では案を考えず)AIに案を考えさせる方法。
結果は、新入社員は、「最初からAIに指示を出した場合」よりも「自分で先に考えてその後AIに手伝ってもらった場合」のほうが良いアウトプットを出す傾向があると感じました。
これは、興味深い結果でした。実は同じ研修を、ベテランのクリエイティブ職の社員で試したことがあります。そのときの結果は逆で、「最初からAIをディレクションした場合」のほうが「自分で先に考えた場合」よりも良い結果になる傾向があったからです。
この差はどこから来たのでしょうか。
画像はAdobe Fireflyで生成
「評価軸を持っているかどうか」が分岐点
ベテランは、自分の中に明確な評価軸を持っています。何が良くて、何がダメか。どこを直すべきか。また、その評価軸をもとに方向性を指し示すこともできます。
一方、新入社員にはそれがまだないことが多い。その状態でAIを使うと、アウトプットの良し悪しを判断できず、結果として「それっぽいもの」をそのまま受け取って答えにしてしまっていた、ということなのでしょう。
